あなたを支えたい【HS】part2

終息 ページ40

それからも毎日の仕事は続いていくわけで、


俺たちはただ変わらずに仕事をこなしていった。




NJ「大丈夫か？ 」



HS「ああ。体は、元気だよ」



NJ「でも無理してるだろう」



HS「そうかもな。
　 でも不思議とさ、言われたことが頭にずっとあって、
　 誰かに甘えようとか、ちゃんと寝なきゃとか、
　 つらいときの対処法が染み付いてるんだよ。」




NJ「先生のおかげか。皮肉なもんだな‥‥」




HS「だから、こんなに苦しくても、我慢して我慢して
　 みたいにはならないよ。こうして話せてるし」



NJ「でも、痩せたぞ。食べてないだろ」




HS「‥ああ。食事と、睡眠だけは、なかなか。
　 彼女がいないと、俺は眠れなかったから」




NJ「倒れる前に言えよ。食事できるだけ一緒に食べよう」




HS「ありがとう」



ホビは、明らかに憔悴してるものの、先生に言われていた健康管理を続けることで、何とか保っている様子で。





二人に何があったのか、俺たちにはわからない。



でも、ホビが先生を愛しているのだけは、知っている。
これだけ苦しんでるのだから。








新しいメンタルケアの先生は、A先生の先輩。


とてもいい先生で、頼りがいもある。



俺たちのことを頼んでいったみたいで、基本的な診療は引き継がれていた。



ホビは睡眠薬をもらってると言っていた。


みんな、頼りにしながらうまくやっているみたいだ。









それでも、俺たちの中から、消えることはない。




あれだけ俺たちを支えてくれた人の代わりなんていない。



みんな口にこそしないけど、元気がない。





あれから、ぽっかり心に穴が空いたみたいな、そんな感覚を抱えている。












あれだけ騒がれた写真の件は、あっという間におさまった。




記事が出たからだ。



俺たちの近くにいた女性は、辞めたというもの。


メンバーに擦り寄っていたものの、事務所に辞めさせられたらしい、というような内容。





世間はその話を信用したのか、噂は落ち着いて、
俺たちへの疑念もなくなって、平穏な活動ができていた。





結局、全て先生が悪者にさせられて終息した感じ。










事務所が記事を出させたわけでもなく、先生を辞めさせたわけでもない。




あくまで先生は自分の意志で、辛くなって辞めたと
そう聞いていた。





どこかで、穏やかに暮らせているのだろうか。

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