あなたを支えたい【HS】part2

消失 ページ38

HSside---





突然だった。




あまりに突然のことすぎて、頭が追いつかなかった。





一週間、たった一週間海外へ仕事で行って帰ってきたら、
彼女はいなくなっていた。









部屋に彼女の荷物がなくなっていて、探してもどこにも何もなくて。



慌てて彼女に電話したけれど、聞こえてきたのは

使われておりません

という電子音だけで。




マネージャーにすぐ電話をした。




もしかして、事務所に言われて引っ越しさせられたのか？


そうに違いない。


どこかのホテルにでもかくまわれているんだろう。



そう思ってマネージャーに聞いてみるも、マネージャーは何も知らない、それだけで。




ただ、手紙を預かってると言われた。






俺の家に急いで駆けつけてくれたマネージャーから
手紙を受け取って、一緒に読んでもらった。






そこにはたった一行。




『愛しています。ごめんなさい。』





出ていったんだと悟ったと同時に、猛烈な吐き気に襲われた






俺はどうやって息をしていただろう。





彼女は俺にとって空気みたいなもので、
失くしてしまったら、息さえできないのに。










目の前が真っ暗で、その時から、
俺の世界は何も色さえもたなくなってしまった。

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