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(ym.side)


前者はまあ大した問題でもない


伊野尾ちゃんが俺んちに来るのが
定期的に続いた頃

『近況を教えてください』

雑誌によくある質問だ
伊野尾ちゃんとのことでも話そうとしたところで
タイミングが良いのか悪いのか
インタビュー用のICレコーダーが切れてしまった

『すぐに代えを持ってきます!』

そう言って部屋を出ていくインタビュアーさんの
後ろ姿をぼーっと眺める


『山ちゃん』


他のメンバーが個人の撮影をしている中
唯一楽屋に残っていた
眠っていると思っていた伊野尾ちゃんに
名前を呼ばれる


『俺と山ちゃんだけの秘密がいいな』


主語のない伊野尾ちゃんの言葉に
俺は頭にハテナを浮かべた

ゆっくりと移動してきた伊野尾ちゃんが
先ほどまでインタビュアーさんが座っていたところに腰をかけて
男にしては大きすぎる瞳が俺を見つめた


『ほかの人にわざわざ言う必要ないじゃん。俺と山ちゃんの"2人だけの秘密"にしよ?』


俺の大好きな可愛い笑顔をそえて
お願いなんてされたら
よく意味は分からなかったけど
頷くことしかできなかった



"2人だけの秘密"



ひどく魅力的に聞こえた




.

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作者名:名無しの腐女子たち x他7人 | 作成日時:2017年3月16日 21時

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