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来し方行く末わかつ秘め事 ページ44

(ym.side)



いつ頃だったっけ



そんなのもうどうでもよくなるくらい
すごい昔のように感じる




いい加減なことばかり言ったり
そういう素振りばかりする伊野尾ちゃんに
辟易しきっていた頃




少し早くついた楽屋に1つの人影が見えて




その肩が震えていた




押し殺すような嗚咽が漏れ出ていて
こちらに背を向ける後ろ姿は
驚くほど頼りなかった




『ああ、この人は俺が守らなきゃいけないんだ』




なんの根拠もなく
でも確かにそう感じた




後ろから包み込むように

その背中を
華奢な体を

抱き寄せる



何もなかったかのように取り繕う
涙で濡れたぐちゃぐちゃの歪な笑顔




「無理して笑うなよ」




何も映していなかった瞳をそっと手で覆った







++++++++++++++++++++


来し方行く末わかつ秘め事


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作者名:名無しの腐女子たち x他7人 | 作成日時:2017年3月16日 21時

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