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side in
撮影終わり、楽屋で大ちゃんと二人。
となれば、話題は１つなわけで。
「今日もかっこよかった…」
「いいかげんに告白してみたら？」
「いやぁ、むりだよ」
「なんでそんなに奥手なの」
「だって、怖くない？」
「怖くないし、もうほんとに十分だと思うよ？」
「だって山田だよ？壁は高いんだよ？まだ装備が足りないって」
「さっさとしないと知念か圭人に取られるんじゃないの」
「わー！それはダメ！」
悲しくなること言わないでよ！
そりゃ、やまちねが世間ではやぶひかと並んで最強レベルなのは知ってるけどさ…
圭人なんかGPSだし。
それに比べて俺は…不仲説まで出てる…
「うっ…辛い…」
「まぁまぁ。なんかさ、考えてみようよ」
「何を…？」
「前さ、ポーカーに例えて話してくれたじゃん？」
「うん」
「俺調べたんだけどさ、ポーカーのルール。ジョーカーが一番強いんだね」
「まあ、そうだね」
ロイヤルストレートフラッシュっていうポーカーで一番強い組み合わせは、ダイヤの10、J、Q、K、Aの5枚のこと。
でもこの内4枚が手元にあれば、あとジョーカーがあっても完成する。
言わばオールマイティーの最強カードだ。
「いのちゃんは10年もアピールして、手札をそろえてきたわけじゃん？もう４枚くらいは揃ってると思うの」
「うーん。まあ、そうだとして？」
「だったら残りの49枚から１枚を引くよりさ、ジョーカー振りかざした方が早くない？」
……確かに。
ほんとのトランプだったら残りの１枚も、１枚しかないジョーカーも引く確率は同じだけど、これは恋の駆け引き。
強力なジョーカー的手段があれば、一気に距離を詰められるかもしれない。
「すごい！大ちゃん天才！」
「でしょ？俺ってば天才！」
ジョーカー的手段か。
何がいいんだろう。
「だからそれで告白してみるとか」
「それはむり」
「えー」
「それはほんとに最終手段すぎるよ！」
「じゃあ何がいいのさ」
「酔ったふりして押したおす…？」
「そっちのが最終手段なんじゃ…」
うーん。
でもこれはいい考えだ。
この線でいこう。
「ありがと、大ちゃん」
「おう！あ、俺トイレ行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
大ちゃんを見送って、ため息をつく。
いい線、とは思うけど。
「どーしたらいいのかな…」
独り言がこぼれる。
そう、独り言、のはずだったのに。
「伊野尾ちゃん、」
ちょうどその時ガチャリとドアがあいて、山田が入ってきた。
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作者名：名無しの腐女子たち x他7人 | 作成日時：2017年3月16日 21時
