# step 03 ページ3
「...ごめん、山田」
「俺の代わりに泣いてくれるなんて、伊野尾ちゃんは優しいね」
ぽんぽん、と優しく頭を撫でてやると、彼は手で目を擦った。
「...山田が思ってるより、俺 優しくないよ?」
「なんで...?」
「だって俺、薄々気付いてたよ。彼女がいること。...早く別れればいいと思ってた。」
ふっ、と伊野尾ちゃんは顔を上げた。
「おれ、山田のこと好きなの。」
潤んだ瞳を俺に向ける。
「だから、彼女の代わりでもいい...。どんな形でもいいから、山田の近くに......」
くい、と伊野尾ちゃんの顎を持ち上げて一瞬だけ唇を重ねた。
「...やま、だ......?」
唇が離れると、目の前の伊野尾ちゃんは顔を真っ赤に染めて、ぼーっとこちらを見ていた。
「......仕事終わったら、俺んち来る? 美味しいご飯も作るけど、」
すると、伊野尾ちゃんは首を横に振った。
「...いらない。山田だけいれば、俺は何もいらない。」
「そっか」
一瞬でも伊野尾ちゃんの言葉にドキッとしたのは、錯覚か何かだろうか。
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作者名:名無しの腐女子たち x他7人 | 作成日時:2017年3月16日 21時