正しい恋のはじめかた # step 01 ページ1
恋の始まりなんてものは、人それぞれで それは唐突である。
たまたま失恋して、そこに君がいたから とか。
「...やーまだ」
ソファの前にあるローテーブルに携帯を置いたまま膝を抱えて座っていた俺の顔を、彼は覗き込んできた。
「.........伊野尾ちゃん、」
「どーしたの、元気ないね?」
明るい茶色の髪をふわりと揺らしながら伊野尾ちゃんは問うた。
「...あー...、うん... ちょっと、ね...」
まだ引きずっている心の痛みを感じながら、俺は曖昧に答えた。
「なんか悩み事? 仕事に関して?」
ぽすん、と伊野尾ちゃんは俺の隣に座って、同じように膝を抱えて座った。
「...いや。」
「プライベート?」
俺は小さく頷いた。
同じグループのメンバーである伊野尾ちゃんは、普段はそういう関係性もあって『年上』ということをあまり意識していないが、こういうときはやはり年上なんだな、と思う。
「...なんか、伊野尾ちゃんになら話してもいい気がしてきた」
鼻の奥がツンとするのを感じながら、俺はへら、と笑った。
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作者名:名無しの腐女子たち x他7人 | 作成日時:2017年3月16日 21時