ちかくて、とおい。 (ymin)

9.▽ ページ10

side.ryosuke




転校生か、男か女か....。まあどっちでもいいんだけどね。笑

高木せんせーが呼ぶと、長身イケメンが入ってきた。

....背、高過ぎじゃね？ 5ｃｍでいいから分けろ。





「中島裕翔です。今日からよろしくお願いします」



爽やかイケメンか....。こりゃぁモテるぞ。

現に、今も女子の歓声がすごい。


男子はいろいろ言ってるけど、スポーツ得意だって言ってるし、ノリよさそうだし、すぐ人気者になるだろうな。



ふと後ろを振り返ると、なかじま君をぼーっと見つめる慧が。

かわいいなぁ、なんて思っていると、視線を感じた。なかじま君だ。俺じゃなくて慧を見てる。



....なんだろう、やけに熱っぽい視線な気が..。





「じゃあ席は....、伊野尾の隣かな。ほら、あの一番後ろの子」



女子ががっかりしたような声を出し、慧は少しおどおどしてる。

そういえば慧の隣、空いてた....。よりによってかよ。





なかじま君はサーッと横を通り、慧の隣の席に着いた。




「よろしくね、えっと....いのお？くん？」


「あ、はいっ！えっと、よろしくお願いします....」






後ろからそんな会話が聞こえてきて、なんだかモヤモヤした。

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