ちかくて、とおい。 (ymin)

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side.ryosuke




「あのね、今日りょーすけの夢見たんだよっ！」



「えっ、マジ？どんな夢？」



「えっとねー、りょーすけがこうにぃに怒られてる夢」



「ひどくない？！」





何で怒られてたのか聞いたら、「忘れた....」って....。

慧の夢に登場できたのは嬉しいけど、内容が....。


宏君、キレたらめちゃくちゃ怖いんだよな。

いつもニコニコしてるんだけど、慧に何かあったら信じられないくらいの変貌を見せる。






そんな宏君つながりの話をひとつ....。


昔からの知り合いである俺は、自分で言うのもなんだが、宏君から信用されている。

でも、ひとつ厄介なことがある。




宏君は、「俺は慧のことが好き」という事実を一切知らない。

というか、俺がばれないように必死に隠しているのだけど....。



信用されてるから慧の近くにいられるのに、もし俺の本心がばれてしまったら....。




考えるだけで恐ろしい。絶対しばかれる。冗談じゃなくて本気で。

まあ、半径3ｍ以内に近づくな、っていわれるのは絶対だろうな。




これまでに、俺はいろいろな人を見てきた。




慧に告白しようとしただけなのに、宏君の恐ろしすぎる睨みで倒れた人....。


慧の靴箱に入れてたラブレターを宏君に盗まれて、生徒から嫌われてるおじさん先生の靴箱に入れられた人....。



あ、全部男ね。

女子は遠くから見てるだけで幸せなんだってさ。(その中には俺と慧がくっついてるのを見て喜んでる、腐女子さんもいたけど)




俺はそんな人たちのことを敵視しながら、心の隅では同情してた。


一応同じような立場だからね。






だから、もしかすると俺の恋の一番の壁は慧が天然なことじゃなくて、宏君を説得することかも。

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