イベリス【ymin】 (ページ25)

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いつも通り部活を終えて帰宅すると玄関には大ちゃんの靴。

部活帰りに白米にご飯をあげていたから大ちゃんに先を越されてしまった。

「おかえりー。ねえ、明日って何時でもいいよね？」

「ただいま。いいよ。でも明日母さんたちの記念日だから夕方には帰って起きたいかも。」

色々準備もあるし。

「そだね。帰りにケーキ買うのはどう？」

「いいねそれ！」

大ちゃんにしてはいい案だね。

口からでかかった失礼な言葉を飲み込んだ。

「じゃあ薮くんたちに10時駅前集合って伝えとくから。ちゃんと起きてね！！」

「それ、遅刻魔の大ちゃんには言われたくないから。」

大ちゃんはよく遅刻をする。

それはもう数え切れないくらい遅刻するのだ。

二人で一緒に出かける時はまず大ちゃんが起きていることを確認する。

ただそこで起きているからといって安心してはいけない。

一度起きてるなえらいと大ちゃんをほったらかしにして支度していたら何故かシャツに足を突っ込みながら寝ていたことがあった。

何度思い出しても意味がわからない。

階段を上り自分の部屋に入ったタイミングでスマホが鳴った。

大ちゃんからの『明日駅前10時で！』というLINE。

すぐに5人分の既読が付き、『分かった』、『了解』と薮と光が返事をする。

続いてピコンと送られてきたのは敬礼をしているうさぎみたいな何かのスタンプ。

…なにこれ。

「すっごいぶさいく。」

…山田はセンスがないのかもしれない。