Code Blue 『The Path of Life 2』

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冴島さんに準備をお願いする
意思を決めてからの行動は早かった



メスを入れる場所に消毒液をかける



「お腹、開ける気？」
『出血箇所見つけないと、彼死んじゃう』



藍沢くんの手術着の紐を結びながら私が答える。



「えっ、マジかよ。」
「血管損傷もあるかもしれないわ。経験あるの？」



「ない、だからやるんだ。
どんな名医だって、初めは未経験だ。
Aは？」

『フォローなら入ったことある。
から見た事はある』


昔、黒田先生のオペに入らせてもらったときの記憶を頭に思い起こす
あの、滑らかな手捌きを



今度は、私が



「お前ら、自分達がオペしたいだけだろう」
「だからどうした？」
「そんな事で、患者を危険な目にさらしていいの」



フェローだけで執刀することの危険を藤川先生と白石先生は訴える
そんなの重々承知だ

私たちはまだまだひよっこで、
何も、出来ない未熟者
ただそれでも、医者と名乗るからには…



『何もしないと死ぬ命を見過ごせない。
私は医者だもの』



意思の強い煌々と光る瞳で藤川先生を見つめる
いつも微笑みをたたえている唇は真一文字に結ばれていて、その真剣さが伝わってくる



「オペにリスクは付き物だ。」



藍沢くんの手に手袋がはめられる
私もマスクの紐を結びながら、まっすぐこう言い放った



『何もせずに死なせるくらいなら、私はリスクをとる』



ふいに、手術着の背中がきゅっと締め上げられた。

振り返ると緋山先生が私の紐を結んでくれていて
「私もやるわ」と一言

彼女もまた意思を固めてくれたみたいで。

緋山先生の背中に回り、手術着を着せるのを手伝う



「黒田先生、またなくていいの？」

「ドクター達がやるって決めたんです。
私たちは手伝いましょう」


看護師の不安げな声を、冴島さんが受け止める
彼女のサポートもある
必ず、やり遂げて見せる



『メスください』
「あと回復セットと、吸引機も」



藍沢くんと私、緋山先生の３人で改めて患者と向き合う
いざメスをそのお腹に押し当てようとすると
手が震えた



「どうした、緊張してるのか」
『いや…』
「お前ならできる」



藍沢くんの一言で手の震えが止まる
そして緊張感の中、うっすら微笑みが浮かんだ

メスを入れると、そこから先は夢中であった



「脂肪層が厚い」
「そっち鉤ピンで掴んで」
『わかった』


切り開いていくとそこは血で溢れ返っていた
急いで吸引するも、なかなか術野は広がらない

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