Code Blue 『The Path of Life 2』

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処置台に移されたのは確かに雪村さんの彼氏だと思われていた
ストーカーの彼であった



「FAST、輸液も」
「ルート確保お願い」
『はい』
「じっとしててくださいね」



藍沢君が体内貯留を見ている横で三井先生が聴診器で呼吸を聞く



「右の呼吸音が弱いわ。」
「FAST、ネガティブです」
『デンジャラスゾーンは外れてそうですね』


そこに黒田先生が合流する
彼は患者を一瞥するとすぐ指示を飛ばした



「チェストチューブは32フリンチ」


その指示に看護師たちが慌ただしく動く
その間に私はオペ室の確保のために連絡をとった


____________

あれから暫くたって、
ストーカー男…小野寺さんのオペが終わる

私たちフェローは待機を命じられていた
手術着のままの黒田先生に藤川先生がかけよる



「あっ、包丁の人は？」
「気胸だけですんだのはラッキーだった
後は感染症さえ気を付ければ大丈夫だろう」
『よかった...』



ほっと胸を撫でおろす
人の胸に包丁が突き刺さった光景はなかなかにきつかった。

どっと疲れが押し寄せる。

当直頼んだぞ、と言って去っていった黒田先生にお疲れ様でした〜と声をかけ、
私はデスクへ突っ伏した。




『もうだめ、疲れた、眠い
一歩も歩けない』



当直からの怒涛のオペに急患続き
変な患者ばっかり
勘弁してよ…

立ち上がる元気すらなくて、隣に座る藍沢君に手を伸ばす




『藍沢君、だっこ。
もう仮眠室で寝る・・・』



冗談のつもりだったのだが、
私が伸ばした脇の下に藍沢君が手を差し込んだことで
その場にいたフェロー4人(私も含む)が固まった




『え、ちょ、冗談だってば！？』
「暴れると落ちるぞ」



お姫様だっこ、なんて可愛らしいものではなく
俵担ぎで仮眠室へ運ばれる。
浮遊感からか、彼の頭にしがみつくと彼はくつくつと愉快そうに笑った




「なんだあれ…」



藤川先生のつぶやきに、取り残された白石と緋山も同意するように頷いた

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