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「そう言えば藍沢の転落男も大変らしいよ」
んふふ、と噂好きのおばちゃんのする動作で笑う藤川先生
そのとき私のPHSがけたたましく鳴る
しかし私の視線は藤川先生の後ろのまま
『藍沢く〜ん…』
「いたの?!」
驚いたように振り向く藤川先生を無視して彼は私を見た
そして手元のPHSを彼に見せる
『はるちゃん1から。これ絶対あの人』
「はぁ…俺も行く」
『感謝。だいすき』
ため息をつきながら「お前、代わり行く?」と藤川先生に言いながらも
彼にトレーを押し付けて先に去っていく藍沢君
私も親子丼が三分の一ほど残ったトレーを美穂子ちゃんに「代わりに食べて」と
押しつけ、席を立ちあがる
小走りに藍沢君の背に追いつくと
「簡単に大好きとか言うな」と額を小突かれた。
解せぬ。
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「だからぁ、部屋替えろって。あのババアの喚き声で寝らんねぇだよ!」
「ここは救命です。呻き声くらいします」
病室へ行くとはるちゃんがうんざりした表情で立っていた。
案の定未だに喚き散らす小倉さんに、藍沢君は毅然とした態度で接する
『ちょっとしたら一般病棟に移っていただきますから
それまで我慢していただいて…』
「あぁ?!・・・ってさっきの女医じゃん…」
私が声を発すると小倉さんは私の方を見た
ちょっと怯えた顔をしたが、しばらくすると一遍、にやけた顔で私の腕をつかむ
え、ちょっとやめてよ
「おっかねぇけどイイ女じゃん。頼むよ、部屋変えてよ〜」
『いやだから無理ですって、離してください』
はるちゃんの眉が吊り上がるのか見える
私も困った顔をしながら彼の手を振りほどこうとするが、
なかなかの力でつかまれているため解けない
怒りが蓄積されいくのを感じながら、口を開こうとする前に隣の彼が動いた
「離してください」
「あぁ!?」
藍沢君の手がそっと私に触れ、小倉さんの手から解放してくれる
助かった・・・
小倉さんは藍沢君をにらみつけたけど、その完璧な無表情に怯んだのか
舌打ちをした
「っち。下っ端じゃ話になんねぇ。上呼べ上!!!」
「すいません!どうしました?」
「おお、いいとこ来た。」
「あれ?お前達、ドレーンチェックした?」
小倉さんから私たち二人を遠ざけるように間を通る森本先生。
ここは俺にまかせとけ、と親指を立てる先生に
めちゃめちゃ感謝しながら私たちはそこを離れ、少し離れた本山さんのカーテンを閉める。
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aoi20060520(プロフ) - 私もあの5人にいれてほしいーなんてずーっと思ってて、この作品がすごく好きです!少し気になっていたんですが、緋山先生って美帆子じゃなかったですか?穂じゃなくて帆だったかなとおもいます。更新楽しみにしてます (2019年4月3日 23時) (レス) id: fa456972a3 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 首を長くして待ってます! (2018年10月16日 19時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
SeNa(プロフ) - あーちゃんさん» 閲覧ありがとうございます!読み直して少しずつ誤字の方は訂正させていただきます。文字化けについては原因を調査中ですので、少々お待ちください、これからも作品をよろしくお願いいたします。 (2018年10月15日 14時) (レス) id: be458504a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - シリーズを読んでます。 誤字がところどころに見受けられます。 全てを指摘したいですが、難しいので、作者さんが見直しをお願いします。 あと、文字化けして、何の字の書体か分かりません。 そちらの修正もお願いします。 (2018年10月14日 21時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
SeNa(プロフ) - まるさん» 大変失礼いたしました (2018年10月5日 13時) (レス) id: 65abc8f599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SeNa | 作成日時:2018年10月5日 13時