Code Blue 『The Path of Life 2』

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翌朝
藍沢くんについてきて欲しいと頼まれ、出勤してくる田所先生を駐車場で待ち伏せする

相変わらずの無表情に緊張を滲ませて彼は言った




「ほお、謝罪したいと」

「ご家族に謝罪したいんです」

「藍沢先生、ご自身で、ですか？」

「はい、自分で。」



昨日の決意はこれだったのね…と納得する
薄く口角を上げて聞いていると
田所先生が私を見た

私の意見も求めているのだろう



『良いと思います。
藍沢くんが自分で決めたことならば。
私には口出す権利はありません』



ただの主治医ですしね
と私は嬉しそうにふにゃっと目尻を下げた



ーーーーーー
Side 白石



「治療はもう結構ですって何度も言ってるじゃないですか」

「受けてください」


何度断れても"はい、そうですか"とは引き下がる事はできない
当たり前だ、それが医者だから

頑なに鼻を治すことを拒む彼女に頭痛がしてきた

腕組みをして再度彼女をみる




「もう...先生みたいな人には分かんないでしょうね
"何の悩みもない"ような人には」

「悩みがない？」

「無いでしょう？そんな綺麗な顔してるんだから」


俯きモゴモゴという横田さん

彼女の爪を弄る音
悩みが無さそうって言葉に頭に血がのぼるのを感じた

抑えようと握り込んだ拳がファイルを皺くちゃにする



「誰に言ってんの？」



病室に怒鳴り声が響く



「悩みだらけよ
上司に睨まれ仕事も干され、ナースにまで怒鳴られて
この病院に来てたから悩みしかないわよ！
私ね、一応ここに来るまではエリートって言われてたの
それが何？ここじゃあまるっきりカス扱い！
もうこれ以上治療拒否とか言って悩まさないでよ！

私もねある意味鼻がポキッと折れてんの
いや、バキバキに折られたのよ！」




言葉尻が静まり返った病室に響く
一気に言い切って、横田さんの目がこちらを向いていない事に気付いてはっとした

やってしまった…ーー

慌てて謝罪する


「あっ、ごめんなさい」

「ふふっ...
受けてもいいよ、形成のオペ」



しかし彼女から返ってきたのは罵りの言葉ではない、嬉しい言葉であった

また潰すかもしれないけどね、とわざとらしく笑う彼女に、白石も思わず笑ってしまった

これで良かった、のかな？

今まで散々相談に乗ってくれていた翠川先生…いやAに報告しなきゃ、と彼女の病室を出る

(良かったね恵ちゃん！)

花が咲くような笑みで彼女は笑ってくれるだろうと思うと、足取りは軽くなった

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