2-11 ページ12
・
・
・
ヘリが飛んで少しすると
研修医全員が黒田先生と森本先生がオペしている手術室に呼ばれる
どうやら現場から応援要請があったらしい
緋山先生、大丈夫かな
「筋肉の壊死が思ったより広範囲で、俺も森本先生も手が離せない。」
「君らのうち誰かに行ってもらうしかないな。」
黒田先生の目が私を見て、
そして藍沢先生を見た。
「死にかけてる患者は二人、
一人は妊婦、一人は頭をやってる。
その修羅場に行って患者を助ける自信のあるやつは、誰だ?」
『「私が/俺が行きます」』
ふたり、一歩前へ進み出た
志願したのは私と藍沢くんの2人
森本先生が私の眼帯をした左目を見る
「翠川、大丈夫なのか?」
『ご覧の通り、痣も治りかけです。
いけます、やります』
ゆっくり眼帯の紐を解き、患部を先生にみせる。瞼の腫れは引き、赤黒かった皮膚は元の色を取り戻していた。
塗り薬が残っていたから、保護の為に眼帯をしていただけだ。
視界は良好
それに、こんなチャンス
見逃せるはずがない
黒田先生が頷いたのを見て、
新生児キットをひっつかみ
藍沢くんと手術室を飛び出した
・
・
・
ヘリポートに着くと丁度ヘリが戻ってきたところだった
粉塵を巻き上げ着陸するヘリに素早く乗り込む
ヘッドセットをつける手が興奮で震える
久々のこの感覚
緊張感
利き手の右手をぎゅっと握り込む
必ず、たすけるから…ーー
二人が装着したヘッドホンから、CSの轟木さんの声が聞こえる
《受け入れの美浜総合病院を日没の6時57分までに離陸しないといけないので、ロアーズ駐車場の離陸のリミットは6時39分です。》
『現場に滞在できる時間は…10分ね』
「梶さん、5分前になったら教えてくださ
い」
《分かった》
あっという間にヘリは現場に到着する
着陸するや否や扉を開け放ち、患者の元へ走る
ブルーシートで囲まれた一角では三井先生が子供の方を診ていた
「妊婦さんは白車よ。翠川、いける?」
『了解です』
白車の中では妊婦が悲鳴のような呻き声を上げていて、側には今にも泣き出しそうな顔をした緋山先生の姿。
私が飛び込むと、彼女は患者情報を早口で伝えてくる。
「常位胎盤早期剥離でかなり出血が、胎児心拍も80まで…」
『わかった。わかったから、緋山先生も落ち着いて』
私は助けるために来た。
お母さんも、お子さんも、どちらも諦めない。
悔しそうに顔を歪める緋山先生の肩を二度とポンポン、と叩き患者さんと向き合う
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aoi20060520(プロフ) - 私もあの5人にいれてほしいーなんてずーっと思ってて、この作品がすごく好きです!少し気になっていたんですが、緋山先生って美帆子じゃなかったですか?穂じゃなくて帆だったかなとおもいます。更新楽しみにしてます (2019年4月3日 23時) (レス) id: fa456972a3 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 首を長くして待ってます! (2018年10月16日 19時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
SeNa(プロフ) - あーちゃんさん» 閲覧ありがとうございます!読み直して少しずつ誤字の方は訂正させていただきます。文字化けについては原因を調査中ですので、少々お待ちください、これからも作品をよろしくお願いいたします。 (2018年10月15日 14時) (レス) id: be458504a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - シリーズを読んでます。 誤字がところどころに見受けられます。 全てを指摘したいですが、難しいので、作者さんが見直しをお願いします。 あと、文字化けして、何の字の書体か分かりません。 そちらの修正もお願いします。 (2018年10月14日 21時) (レス) id: 19c8ad80b4 (このIDを非表示/違反報告)
SeNa(プロフ) - まるさん» 大変失礼いたしました (2018年10月5日 13時) (レス) id: 65abc8f599 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SeNa | 作成日時:2018年10月5日 13時