旱天慈雨【続】3 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:39,340 hit

#106 ページ16

…

安田side

今はただ、先のことは考えず。

目の前のことにだけ集中する。

湯快適悦。

この言葉に限る。

「明日まで延ばせることは今日するな」

急いで生きても意味は無い。ゆったり気の向くままに生きて行けたらいいのにな…

痛む腰を酷使して、「もう1回」と掠れた声を出せば

もちろんかえってくる言葉は「ＮＯ」だった。

大「まだ足りへんの？」

安「うん。足りひん」

大「…章大、大丈夫か？」

安「うぅん、たぁうごかれへんねやったら、

がんばる」

大「動かれへん訳やないけど…章大、もう腰痛いんやろ？

ちょっと休んだ方がええやん。な？」

汗でしっとりしてる顔を、汗とか諸々で濡れてる大倉のおっきい手が撫でる。

ちっちゃい子をなだめるみたいに。

大「ふぅ…」

横に寝っ転がった大倉の胸元に抱きつく。

大「おやすみ。」

安「…おやすみ」

生徒会長が可愛いって言った癖に、

今日の行為中に1度も僕のことを可愛いと言わなかった。

前まで散々可愛いって言ったくせに。

僕は可愛くなくなったのか、それとも大倉の気移りか。

後者ではないと信じたいけど、

前者も少し違う気がする。

名前のない不安に押しつぶされそうで、よく眠れない。

大倉が隠し事してるのは知ってる。

でもな、教えてくれるまで待ってるから。

…