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「あの、君大丈夫?」
隣に立っていた男の人に声をかけられる
背が高いその人を見上げる元気もなく、
「大丈夫、、、です。」
と消え入りそうな声で言った
その人は私の顔を少し覗き込んで
「貧血かな、全然大丈夫そうに見えねぇし。」
気分が悪すぎて、ちゃんと返事をする気力もない
ぐらぐらと揺れる視界に目が回りそうだった
「ちょっと、すいません、通ります」
電車が駅のホームに入り、ドアが開くとその人は周囲の人に声をかけながら、私を支えて電車を降りた
乗り合わせた人たちも状況を見て察したのか素直に道を開けてくれる
ホームに降りると
「ごめんね、」
とその人は一言謝ってからヒョイっと私を抱き上げた
驚いたけれども、その時の私はとうに限界でそのまま意識を手放した
名前も知らない人だけど、温かい腕の中にすっかり安心してしまった
ふわりと香る香水の匂いが心地良かった
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2020年8月29日 0時