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「あら、Aさん。今日も遅刻ですか?」


「はい、遅刻です!」


「ということは、キメツ学園始まって以来の指導回数500回達成ですね」


「これでこの学校の歴史に名が残るハズやな」






「フッ」と、右足をイスに乗せ左手は腰、右手は顎に当て決めポーズ。もちろんドヤ顔。
しのぶちゃんには冷たい目とともに「褒められたことではないですけどね」という一言。


冷たいなあ、しのぶちゃんは。






「それより、Aさん。覚えてます?」


「え、何を?あ、思い出した!あれやろ?
あのー・・・私が今日遅刻したら宇髄先生が冨岡に千円払うって賭けのことやんな?」


「・・・すみません、初耳です」


「え、てかアレやん!今日遅刻したん冨岡のせいやん!うわ、自分の千円欲しさに私を引き止めてたんやな!?」






「ちょっと宇髄先生のンとこ、行ってくる!」って教室を飛び出そうとするけど、しのぶちゃんに襟首を捕まれ席に(無理矢理)座らされる。


ニッコリと笑ってるしのぶちゃん。可愛ええんよ。可愛ええんやけど、オーラがバカ怖い。今日死ぬかもせん。冨岡にも生徒指導されるし、しのぶちゃんの怖い笑顔も見てしまった。






「Aさん?」


「は、はひっ!?な、なんでございましょうか、胡蝶様」


「本当に覚えてませんか?」


「あ、え、いや、覚えてマス。次、指導受けたら駅前に新しく出来たカフェでドリンク一杯奢り、デスヨネ?」


「まあ、そんなスッカラカンの頭でよく覚えてましたね」





うん、傷つく。シンプルに傷ついた。だからもう生きかれへん。なんで世の中こんなに世知辛いんや。


傷つく私に対してしのぶちゃんは手を合わせて心からの笑顔。ヤダ、怖いこの子。





てか今日財布の中、32円しかないんやけど。




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作者名: | 作成日時:2019年11月26日 22時

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