夢幻 (ページ9)

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末澤side

「...んん、」

帰ってきた時は薄暗かった部屋も闇で染めたように暗くなっていて、冷たい月明かりだけが一筋差し込んでいた。

時刻を確認しようとスマホを手元に手繰り寄せると、10数件もの通知。

2件はスタッフさんからの仕事のメールで、残りは全部グループメールのもの。

『せーやくーん』
『まだ来ないんすか？』
『ご飯行くって約束忘れてないですよね？』
『一応場所送っときます』
『link』
『病院混んでるんすか？』
『先食べてますね？』
『写真』
『写真』
『写真』
『返事しろや〜』
『だいじょぶっすか？』
『誠也くん？』
『不在着信』
『不在着信』

そうや、今日みんなでご飯行くって言っとったのにそれどころやなくて忘れてた。

『ほんまごめん、寝てた』

ピコンと送ったと同時に鳴る着信音。

佐野「誠也くん！大丈夫ですか？熱とかあるんですか？」

シラフであろう佐野の焦った声の後ろからは、だいぶ出来上がった小島と大晴の声が響いてきて、一件目で待っててくれたんやろうなってことが伝わってくる。

マネージャーから誤って今日、俺が病院に行くことが伝えられてもうてたから風邪って誤魔化したんやけど、余計に心配かけたかも。もっと別の言い訳しとけば良かったな笑

末澤「佐野ごめん。大丈夫、熱はないで」

佐野「良かったぁー、、誠也くん遅刻することはあっても約束破ることはないから心配してたんです。」

末澤「遅刻は余計やわ笑」

佐野「へへっ、病院大丈夫でした？」

末澤「...ん、ぜんぜん何も」

佐野「せーやくん？」

福本「せーやくーん、いまからぁこぇますか？」

末澤「あぁ大晴、ごめん今日はもうやめとくわ」

福本「ええ〜」

末澤「ごめんごめん、大晴も小島もあんま飲みすぎんなよ？笑
じゃっ佐野、俺は大丈夫やから５人で楽しんで。正門とリチャにもよろしく。」