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末澤side
コンコン、、
「失礼します...」
長く感じるのかなって思っとった1週間はあっさりと過ぎて、あっという間に結果を聞く日がやってきた。
医者「末澤さん、今回から担当させていただきます𓏸𓏸です。よろしくお願いします。」
末澤「お願いします。」
医者「体調はいかがですか？」
末澤「まあまあですかね、すごく悪くなった感じも良くなった感じも特にないです。」
最近、お仕事が忙しかったから仕事の疲れと言えばそんな感じもするし、そうやないって言われたらそんな気もするから正直分からん。
医者「そうでしたか。」
先生は少し目を伏せてそう呟いてから
俺の両目をしっかりと捉えた。
「ではお時間もないとのことでしたので単刀直入に申し上げます。
...残念ですが、検査の結果ALSと呼ばれる病気である可能性が高いとの診断を下しました。」
心臓がドクンと波打って息が詰まる。
残念ですがってなに、？
なぁなんで先生そんな悲しそうな笑みを含んだ顔しとるん？
先生「ALSは筋肉が痩せて力が入りにくくなる病気で、最終的には自力で動くことが出来なくなります。」
末澤「、どうしたら治りますか？」
先生「進行を遅らせる効果が期待できる薬はあります。
でも、、現在治療法はまだ見つかっていません。」
末澤「そう、ですか...」
無機質な音と、遠くから聞こえる看護師さんの足音だけが響く。
「あの、踊ったりする仕事してるんですけどいつまで踊れますか？10年は踊れますよね？」
数秒間の空白が流れたあと、事務的にお医者さんが答えた。
医者「いえ、長くても2,3年が猶予だと考えておいて下さい。」
せめてもの期待を込めた10年という数字も呆気なく否定され、そこから先生の説明はただ耳の穴を通り抜けていつの間にか診察は終わっていた。
診察後はどうやって病院を出て、どうやって家まで帰ったのかは覚えてへん。
ただ気づいたら家のソファに横たわって意識を飛ばしていた。
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作者名：いちごあいす | 作成日時：2023年11月29日 22時
