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なによ!自分だって、田中ちゃんと飲みに行くんじゃない!
別に小瀧くんがいなくたって寂しくないし、平気だし!
小瀧くん以外の人と飲みに行くことだってあるんだから!
大人なめんなよー!!!
イライラ、モヤモヤする気持ちをなんとか抑えて、大毅との集合場所に向かう。
『…お、お疲れさーん』
「お疲れ!」
仕事終わりの大毅と合流する。
「どこ行こうね?」
『…俺のオススメの店、予約してあるから行こ』
「え…あ、ありがとう」
まさか大毅がそこまでしてくれると思わなかった私は、思わず戸惑ってしまった。
『ここやで〜』
大毅が予約してくれたお店は、個室でお洒落なバーだった。
「…すごい。個室なんだねっ」
『おん、ゆっくりできるかな〜と思って』
そのあと、大毅と乾杯をし、食事とお酒を楽しむ。
大毅が次から次へとお酒を頼んでくれるから、
モヤモヤした気持ちもあって、どんどんお酒を飲み進めていく。
『…なぁ、夢子』
「…んー?」
だいぶお酒がまわって、ふわふわしている。
『…夢子、ほんまに彼氏おらへんの?』
「ふふ、やだなぁ、いないよ〜」
『…ほんなら、好きなやつとかは?』
「え、」
酔ってふわふわしてるはずなのに、
聞かれた瞬間、小瀧くんの顔が浮かぶ。
それを隠すように大毅に告げる。
「…いないよ」
『ほんま?』
「もー、ほんとだって、」
『なら俺と付き合わへん?』
大毅が真っ直ぐな目で、私を見つめる。
「…やだなぁ、大毅、飲みすぎだよ〜」
『冗談やないって』
ぐいっ
大毅に腕を掴まれ、抱きしめられ、
キスされそうになる。
「ちょ、大毅、離してっ…」
『俺はずっと夢子のこと、』
どんっ
思わず大毅を突き放してしまった。
「っ、ごめんなさいっ」
大毅の強引ぶりが怖くなって、
お店を飛び出す。
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作者名:mom | 作成日時:2018年7月23日 2時