◎ ページ22
北山side
飲みすぎた大河内さんと外に出て数分。
その時、店から出る山田が見えた。
めっちゃ泣きそうな顔して。
その後を藤ヶ谷が追いかける。
『…あいつ、』
すぐに追いかけられない自分に嫌気がさす。
とりあえず目の前にいる大河内さんを、
再び室内で休ませようとした。
『…ど?少しは落ち着いた?』
「…はい、すみません…///」
酔っ払ってるからといっても、
すごく俺にもたれかかってくる大河内さん。
距離の近さに戸惑う。
「…あ、あの、北山先輩…」
もたれかかったままの体制で、
大河内さんが見上げてくる。
『ん?』
「…私、北山先輩とお似合いって言われて…実はとっても嬉しかったです…///」
『お、おう』
「これから、少しずつ北山先輩に近づきたいって思います…///」
『…おー、…ありがと。』
『…でも、俺には大河内さんはやっぱりもったいないよ。』
「そんなことっ、」
もたれかかっていた大河内さんが起き上がり、
体ごとこっちに向く。
『…俺、どーしても離せないワンコがいてさ(笑)』
「え…」
『正直、めちゃくちゃうるせーし、自己中で、ワガママで、呆れるくらい自由で。』
『でも、そいつが近くにいないとやっぱ調子狂うんだよね。』
「…それって……」
『ん、あのアホね。』
『…今も何とも思ってないフリして、藤ヶ谷に取られんじゃねーかって、内心めっちゃ焦ってる。』
『そんなだっせー男だからさ、俺。』
『…だから、大河内さんとは、仕事仲間として、仲良くやっていきたい。』
「…はい」
俯いてた大河内さんが顔を上げる。
「…早くいってあげてください!藤ヶ谷先輩に取られちゃいますよ?山田さん。」
『…ごめん、ほんとありがと。』
そう言って、俺は山田と藤ヶ谷の後を追った。
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作者名:mom | 作成日時:2018年7月23日 2時