だいすき。 (ページ15)

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「あっいえ！気を引き締め直してました！」

『そうなの？そんな気張らなくていいのに』

「そうですかね？へへ…」

油断したら泣いちゃうからですよ…

切り替えたのにモヤモヤは残る。

ぴとっ

「ひゃっ？！？！」

急に冷たいものが頬に触れた。

「あ、アイス…？」

『うん、山田さん、アイス好き？』

悪戯っぽく笑う藤ヶ谷先輩から差し出されたのは

チョコアイス。

「あ、はいっ好きです…けど？」

『よかった。じゃあこれ食べて。…こんなんで元気になれるか分からないけど』

「…えっ」

そう言って藤ヶ谷先輩は照れたように笑う。

『…こんなこと言っていいか分からないけど、』

『今日ずっと泣きそうな顔してた。』

「す、すみませんっ」

私としたことが、初対面の藤ヶ谷先輩に気を遣わせてしまった。

『…初対面のやつには言えないかもしれないけど…』

『相談ならのるから。』

『少しずつでも山田さんと仲良くなりたいと思ってるからさ』

そう言って藤ヶ谷先輩は、優しく微笑んだ。