◎ ページ10
数時間後。
『「んぁーーーっ」』
2人して、思いっきり伸びをする。
『集中しすぎてもう夕方やな!』
って神山くんがケータイの時計見てびっくりしてる。
「せやね、もう誰もおらへん!」
周りを見渡して自然に言ったけど、自分で言ったことにハッとなり、少し落ち着いてた心臓がまたドキドキし始める。
『んー、そろそろ帰らなあかんなぁ』
「そうやね…」
神山くんのその言葉で、とても寂しくなる。
内心すごくしょんぼりして、少し俯いていると
『夢子ちゃん』
「ん?」
ちゅ
『…』
「…」
一瞬の出来事すぎて、全然把握できなかった。
「え…」
神山くんが
一瞬のちゅうをした。
『…』
神山くんが切ない表情で見つめてくる。
目が反らせなくて、見つめ合っていると
『あんな、俺な、夢子ちゃんが好きやねん…』
頭がフリーズ状態のままで、何も言えなかった。
『やからな、もし、もし夢子ちゃんが良ければなんやけど、俺と付き合うてくれへんかな…?』
表情を伺うように、上目遣いで見てくる。
「…そ」
『そ?』
「ほ」
『ほ?』
ちょっと神山くんが笑いそうになってる。
「そんなん。ほ、ほんま…?」
『おん。ほんま。言っても、昨日連絡先聞いたばっかやし、今日やっと2人っきりで話したりしたばっかやけど…俺はずーっと夢子ちゃんが好きやったの。』
神山くんがゆっくり話してくれる。
『シゲ繋がりで出会ってから、一目惚れに近かってん。そっから仲良うなって、性格もほんま好きで。3人で話すときばっかしやったけど、それでもほんまに夢子ちゃんとおるん、居心地ええねん。』
『声も、話し方も、身振り手振りも、性格も…全部好き。気持ち悪い思われるかもしらん…けど、俺はそんだけ夢子ちゃんが好きやねん。』
神山くんが。
あの大好きな大好きな神山くんが。
宝物のような言葉を言ってくれる。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mom | 作成日時:2015年2月6日 6時