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ページ29

なのに…


『おいチビ助〜ジュース』


「は?私はジュースじゃありません。ついでにチビ助でもありません。」


『あん?チビ助の分際で口ごたえするんか、おら』


そう言って、頭ゴリゴリしてくる。


そんなことでさえも、私は大毅との距離が近くてドキドキしてんのに。


大毅はもう私が告白したのもなかったことにしたいんかな?


私ばっかりドキドキして、アホみたいに待ってて…人の気も知らんと…


そう思い始めたらイライラが募って、虚しくなって。


爆発した。


「っもう、やめてぇや!!!」


大毅の手を振りほどいた。


「大毅は私の気持ち忘れちゃったん?私がどんだけ勇気出して気持ち伝えたかわかってへんの?」


大毅はこんな時でもびっくりした顔をする。

そんなの初めて聞きました、みたいな顔。

それにもイライラして、


「ああもうええ!!大毅のこと好きなんやめる!!疲れた!!前の告白なんか取り消しや!ほんま最低毒舌男!!いつまで経ってもシャイ岡とか言われてほんま何なん?!人が勇気振り絞って気持ち伝えたんに、そんなの初めて聞きました〜みたいな顔しよって!!ほんま腹立つ!大毅なんか大っ嫌いや!絶交や!もう金輪際話しかけんといて、関わらんといて!」


勢いに任せて、言いたいことだけ言って、大毅の前から走って逃げた。


…つもりだった。


ガシッ


呆気なく大毅に捕まってしまった。


『…誰が最低毒舌男でシャイ岡やって?』


「そんなん重岡大毅に決まっとるやろアホ…っ!!!」


こんな時までふざける気?


もう、悔しいのと悲しいので涙も出てきた。


「〜っもう!!待つの疲れたんやって!!待ってても何も変わらへん、大毅はいっぱい傷付くこと言うしっ…」


『もう待たへんでええ』


ズキン。


なんでそんな素っ気なく言うん?


こうなるんやったら最初に言うてくれたらよかったやんか…。


「あっそ、ほんならもうええ…」


グイッ


「え、」


ぎゅっ


『もう待たんくてええ、付き合お』


びっくりして呆然としてる私の顔を両手で包み込んで


『好きや、夢子』


ちゅ


大毅と初めての甘い甘いキスをした。



おわり

ツンツンツンツンデレ彼氏。藤井くん→←◎



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作者名:mom | 作成日時:2015年2月6日 6時

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