◎ ページ29
なのに…
『おいチビ助〜ジュース』
「は?私はジュースじゃありません。ついでにチビ助でもありません。」
『あん?チビ助の分際で口ごたえするんか、おら』
そう言って、頭ゴリゴリしてくる。
そんなことでさえも、私は大毅との距離が近くてドキドキしてんのに。
大毅はもう私が告白したのもなかったことにしたいんかな?
私ばっかりドキドキして、アホみたいに待ってて…人の気も知らんと…
そう思い始めたらイライラが募って、虚しくなって。
爆発した。
「っもう、やめてぇや!!!」
大毅の手を振りほどいた。
「大毅は私の気持ち忘れちゃったん?私がどんだけ勇気出して気持ち伝えたかわかってへんの?」
大毅はこんな時でもびっくりした顔をする。
そんなの初めて聞きました、みたいな顔。
それにもイライラして、
「ああもうええ!!大毅のこと好きなんやめる!!疲れた!!前の告白なんか取り消しや!ほんま最低毒舌男!!いつまで経ってもシャイ岡とか言われてほんま何なん?!人が勇気振り絞って気持ち伝えたんに、そんなの初めて聞きました〜みたいな顔しよって!!ほんま腹立つ!大毅なんか大っ嫌いや!絶交や!もう金輪際話しかけんといて、関わらんといて!」
勢いに任せて、言いたいことだけ言って、大毅の前から走って逃げた。
…つもりだった。
ガシッ
呆気なく大毅に捕まってしまった。
『…誰が最低毒舌男でシャイ岡やって?』
「そんなん重岡大毅に決まっとるやろアホ…っ!!!」
こんな時までふざける気?
もう、悔しいのと悲しいので涙も出てきた。
「〜っもう!!待つの疲れたんやって!!待ってても何も変わらへん、大毅はいっぱい傷付くこと言うしっ…」
『もう待たへんでええ』
ズキン。
なんでそんな素っ気なく言うん?
こうなるんやったら最初に言うてくれたらよかったやんか…。
「あっそ、ほんならもうええ…」
グイッ
「え、」
ぎゅっ
『もう待たんくてええ、付き合お』
びっくりして呆然としてる私の顔を両手で包み込んで
『好きや、夢子』
ちゅ
大毅と初めての甘い甘いキスをした。
おわり
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作者名:mom | 作成日時:2015年2月6日 6時