だいすき。 (ページ22)

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◎ ページ22

『うん、たぶんそうだと思う。』

「太輔のことが好きなの？伊藤さん…」

『わかんないけど…俺がトイレ行こうと思って席外したらさ、伊藤さんもついてきて。その時に良かったらって。』

「…」

『伊藤さんも、俺に彼女いるっていうこと知ってたし、まぁ業務連絡用に教えてくれたのかなって思っただけだったの。』

『でさ、俺最近ホテル泊まり続きであんまり家に帰れなかったじゃん』

「うん」

『ホテル泊まりの間に、伊藤さんから連絡あって、“彼氏と最近うまくいってないから相談のってほしい”っていう連絡がきたの』

『俺じゃなくてもって思ったけど、いつもお世話になってる人だし、少し相談のるくらいならって思って、２人で食事に行ったんだ』

「…そうなんだ」

『でもその日は本当に彼氏の相談のっただけだし、お酒も一滴も飲んでない。もちろんやましいことなんて一切ないよ。20時には解散したし。』

「うん」

『俺がこんな風に言ってもいつも寂しい思いしてる夢子は不安になっちゃうよな、本当にごめん。ちゃんと言えなかったのは本気で悪いと思ってんだ。』

太輔、すごい悲しそうな顔してる。

正直、太輔のことは疑ってないんだ。

だってこんなに一途に大切にしてくれて
真剣に謝って反省してくれてる太輔だもん。

きっと太輔が言ってることはすべて本当のことなの。

ただ、最近ホテル泊まり多くてなかなか太輔と一緒にいられなかった寂しさと

少しの不安が重なって、半分は太輔に八つ当たりみたいな感じになってしまった。

早く仲直りしたいな。

体をくるっと反転させて、太輔の方に向ける。

「話してくれてありがとう太輔。もう怒ってないよ。太輔のこと信じてたもん。」

自分から太輔の首に腕をまわして抱きつく。

それをちゃんと受け止めてくれる太輔。

『ありがとう夢子。夢子に余計な心配かけたくないって思ってたのに、ごめんな。』

ギュって強く抱きしめてくれる。

「ううん、いいの。これからはまた気をつけよう？はい、仲直り。」

そう言って目を瞑る。

私たちは仲直りしたら、仲直りのキスをする。これも２人で決めた約束事。