◎ ページ14
「えー!!USJ、ずっと行きたいと思ってたー!!」
目を輝かせる。
『やろ?やって夢子、テレビでも雑誌見てもUSJやばいー!行きたいー!言うとったもんな。』
そう言って、ふははって笑う。
そういうさりげないところも、ちゃんと見てくれてる淳太くん。
「ほんま嬉しい!淳太くんありがとう!」
『ええねんええねん、いつも夢子には我慢させとるからな、行きたいとことか全部叶えたいねん。』
「〜っ。淳太くん大好き。」
あまりの優しさにウルウルしてしまう。
『俺も好きやで。だからワガママ全部叶えたいって思う。ほら行くで!』
そう言って頭よしよししてくれて、手を繋いでくれる。
パークに入った後は、私が乗りたいって言ってたアトラクションや
食べたいって言ったご飯も全部叶えてくれた。
2人でお揃いのカチューシャも付けて、写真もたくさん撮った。
2人で一緒に買ったカメラの中には幸せそうな写真や思い出がたくさん詰まってるんだ。
たくさん遊んだ後、カフェで休憩中。
『なぁ、夢子?』
淳太くんが深刻そうな顔で話し始めた。
「ん、なに?」
不安になって聞き返すと
『俺な、来月から全国ツアーが始まるねん。』
「え…」
『せやから、来月から3ヶ月くらい、ホテルばっかしで家に帰られへんねん…』
「そんな…」
分かってる。淳太くんのお仕事はアイドルで、最近すっごく人気で。
いつかはこうなるって思ってたし
忙しくなることは淳太くんにとっては良いことなのも分かってる。
けど、突然そう言われると寂しさの方が勝ってしまう。
それに、来月ってもうあと1週間しかない。
毎日淳太くんにべったりな私だから、淳太くんも気を遣って言いづらかったんだと思う。
ここは、ちゃんと笑顔で「頑張って!」って言わなあかん。
なのに。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mom | 作成日時:2015年2月6日 6時