だいすき。 (ページ12)

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お兄ちゃん彼氏。中間くんページ12

ある日の朝。

ジリリリリ…

部屋にケータイのアラームが鳴り響く。

『おーい、夢子？もう起きる時間やでー起きなあかんでー』

「んー…うん…」

『こら、起きぃやー？』

「(うるさいなぁ…)…10分経ったら起こして」

『あーもう知らんで。これで準備する時間なくなって後で後悔して拗ねても俺知らんからなー？』

「…」

むく。

『はい、いい子いい子～』

さっきから私のこと子ども扱いして
今も頭ぽんぽんしてくるのは
同棲中の彼氏、中間淳太くん。

「…顔洗ってくる。」

『はい、朝ごはん作っとくわ～』

私はめちゃくちゃ朝が弱い。そして寝起きはめちゃくちゃ不機嫌。

そんな私のことも全部分かりきって
毎朝起こしてくれるお兄ちゃんみたいな彼氏。

私はそんな淳太くんが大好き。

きっとこんな干物女、淳太くんしか扱えないと思う。

淳太くんじゃないと、やなの。

キッチンでせかせかと朝ごはんの準備してる淳太くんに後ろから抱きつく。

ぴとっ

『おーなんや、朝から甘えたさんやなぁ～』

そう言いながら顔がニヤニヤしてる淳太くん。

「くんくん…淳太くん相変わらずいいにおーい」

『ふははっ、なんやそれ。言っても夢子も同じにおいしとるんやで？』

「んふふ、幸せなにおい～」

『はいはい、甘えたさん。朝ごはんできましたよっと』

「今日の朝ごはんなに～？」

『夢子の大好きなスクランブルエッグとトーストやで～。あとサラダ！』

「野菜好きくない。」

『あかんで。』

「やだ、好きくない。葉っぱきらい。」

『そんな子にはスクランブルエッグもなしやで』

「いやや。」

『ワガママな子はきらいやで。』

淳太くんのスクランブルエッグ大好き。

けど、野菜はあんまり好きじゃないの。

『ほら、そう言うと思って夢子の好きなドレッシング買うてきたから』

「えっ」

『このドレッシングの味好きやろ？これちょっと多めにかけたら野菜食べやすくなるで。』

「好き！このドレッシング好きなやつ！淳太くんありがとお！！」

『はいはい、ほんなら食べるで』

ほらね、いつもこうやってワガママな私を上手に扱ってくれる。

憂鬱な野菜も、淳太くんの優しさのおかげで美味しく食べれるの。