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「あの、あのあのあの、」
大「別に食わねーから、落ち着けよ」
「ひぃっ!!」
大「……」
「あのっ、ぼっ、ぼく!ぼく大丈夫ですので!っうぎゃあ!」
そんなに焦ってどうしたのか。
いきなり立ち上がってフラフラしてるなと思ったら木の根に躓いて転んだ。
涼「大丈夫?」
「はっはい…すみません、すみません…」
涼「クラクラしない?もう少し休んでてもいいんだよ。俺らは行くからさ」
「いえ……え、あ、君は、赤ずきんの子?」
涼「そうだけど?」
「大丈夫なんですか!?あ、あんなっあんな乱暴な狼と一緒にいて!」
え………乱暴?
え、大ちゃんが?いやいや無いでしょ。
大ちゃん物凄く繊細な心の持ち主だから。
っていうことを知っているのは俺や、大ちゃんと関わりのある人たちだけだろう。
この人は何も知らないから、怯えている。
「ダメだよっ、君みたいな子がヴィランとつるむなんて!」
涼「…元気になったみたいで安心したよ。
俺らもう行くね。大ちゃん、行こ?」
大ちゃん大ちゃん。今日はいっぱいイチゴを拾ったから沢山ジャムが出来るね。
伊野尾ちゃんにもあげるから沢山作らなきゃ。伊野尾ちゃん家のキッチン貸してくれるかな。
孤児院にも持っていこうかなって思うの。どう思う?クッキーとかの方がいいかなぁ。
大「涼介っ」
涼「…あ、なに?」
振り返ると、息を切らせた大ちゃんが小走りで寄ってきた。
いつの間にか、伊野尾ちゃん家の前まで着いていたみたいだ。考え事してたから気づかなかった。
大「俺別に気にしてねーよ。先代の狼のヤローがしでかした事は事実なんだし」
涼「…んー、でも俺は嫌な気持ちになった。俺が誰と友達になろうが、他の人には関係ないのに」
誰かに強制されることが嫌いだ。
何も知らないとはいえ、憶測で物言って怯えて、その価値観を押し付けられたくない。
大「まあ、しゃーない。俺だって、俺が仲良くなりたくて涼介とつるんでるから。
誰に何と言われようと、今更関係変えるつもりないし」
涼「うわー、大ちゃん超いい奴じゃん。ちゅーしたくなる」
大「ははっ、鳥肌立つからヤメロ」
結構マジな顔で返してくるじゃん。
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作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2022年1月16日 12時