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大「ほんと珍しい性格してるよな。俺にもビビらねえし」

涼「だって大ちゃん耳生えてるだけの普通の人じゃん。
俺が聞かされてた狼像は、大きな耳としゃがれた声とどんよりとした色の体毛だったし。大ちゃんは犬っぽい」

大「犬っ!?おい、俺は狼だ」



って本人は言うけどさ。
大ちゃんと俺、身長同じくらいだし、大ちゃんは童顔だし、あまり怖くない。




涼「…よしっ、こんなもんかな。手伝ってくれてありがとう大ちゃん」

大「いっぱい採ったなあ」

涼「こっちのカゴは伊野尾ちゃんにあげる分。
今から伊野尾ちゃんのお家行くけど大ちゃんも行く?」

大「行く!」




大ちゃんに籠を1つ持ってもらい、並んで歩く。


伊野尾ちゃんのお家は国の中心から離れたところにある。
舗装されていない道を歩くのはちょっと大変。

道の両端に背の高さくらいある草が生い茂っていて。
たまにカサって音がなると心臓が跳ねる。







涼「…あれ、大ちゃん。なんかあそこに倒れてる人いるよ」

大「んあ?本当だ」




俺たちが進む先にある木の根元に、人が倒れていた。


俺より先に動いたのは大ちゃん。
小走りに近寄って、倒れている人に声を掛けた。




大「おい、大丈夫かあんた」

「…うぅ…ん、…すみませ…ちょっと、貧血で…」



身体を起こして木にもたれ掛けさせると見えた顔色は真っ青で。




涼「大ちゃん、俺お水とか持ってるよ」

大「さんきゅ。ほら、これ飲みなよ」




大ちゃんが体を支えて口元に水を持っていくと、一気に飲み干した。



貧血って、クラクラするんだよね。
えっと、ええっと…ごめん、俺知識無いから何したらいいか分かんないや。




涼「ごめん大ちゃん。俺何かすることある?」

大「大丈夫だよ。貧血は大抵休んでればおさまるから」



そうなんだ。大ちゃん冷静ですごいなあ。






「うぅ……すみません…ご迷惑を、」



暫くすると、貧血も収まったのかそっと目を開けた。





「…っうわあ!」






涼「え、大丈夫?」

「おっ、おぉおおお狼!?」




目を開けて真っ先に見たのは大ちゃんのことだろう。
大ちゃんの頭にある大きな耳は狼族の証。


せっかく顔色が戻ったのに元通り通り越して真っ青になった。

◯→←物語キーマンは苦労人



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設定タグ:山田涼介 , Hey!Say!JUMP , おとぎ話   
作品ジャンル:その他
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作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2022年1月16日 12時

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