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朝、おいしそうな匂いにつられて目が覚めたふたりは驚きました。
家の中に、魔女の恰好をしたおばあさんがいました。
実は、おばあさんはお菓子の家で子どもを誘い込み、食べようとしている悪い魔女だったのです。
ヘンゼルは捕まえられて、おりに入れられてしまいました。
グレーテルは台所に連れられ、料理を作るよう命令されました。
「作った料理をヘンゼルに食べさせて、太らせるんだよ!あんなガリガリ、食べてもちっともおいしくない!」
グレーテルは怯えながらも料理を作りました。
そしてヘンゼルはというと、おりの中の地面に穴を掘り、そこへ料理を捨てたのです。
魔女はヘンゼルが太るまで待つつもりでしたが、一向に太らないヘンゼルにとうとうしびれをきらしました。
「もういい!太っていようがいまいが関係ない、今からパイにして食べてやる!」
そしてグレーテルに詰め寄ります。
「生地が焼けているかどうかオーブンを見てこい!」
グレーテルはオーブンの前に立つと、わざとオーブンを扱えないふりをしました。
「どうしましょう、身長が足りなくて、オーブンの中が見えないわ」
それを聞いた魔女がやってきます。
「何をしているんだい!ここに立って、こうしてのぞけばいいんだよ」
そうして、魔女がオーブンをのぞきこんだ時です。
グレーテルは魔女の体を思い切り押し、オーブンの中に放り込みました。
「ぎゃああああ!」
魔女はオーブンの中で燃えて、死んでしまいました。
グレーテルはヘンゼルを連れ出して、お菓子の家から逃げ出します。
何とか家に帰ることが出来たふたり。
出迎えてくれたお父さんは涙を浮かべながらふたりを抱きしめました。
新しいお母さんの悪事を知ったお父さんは、お母さんを実家に送り返したのです。
そしてふたりのことをずっと、ずっと探していたのです。
ふたりは、自分たちの経験したことをすべて話しました。
お父さんは、あの恐ろしい魔女から逃げてきた事、ふたりの勇敢な心に大変関心しました。
魔女は死にました。
お菓子の家はもうどこにもありません。
夢のような出来事ですが、ふたりのポケットの中には、魔女の家の宝石が入っていました。
キラキラと輝くその宝石で、家族はお金も手に入れ、すえ長く幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
【ヘンゼルとグレーテル】改訂版
The true story→←(改訂版)ヘンゼルとグレーテル
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作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2022年1月16日 12時