◯ ページ27
.
裕翔は最後の最後まで手を振って戻って行った。
またすぐ忙しくなるんだろうな。
もうすぐ他国に行っていた商船が帰ってくるって話だし。
伊「…裕翔といたかった?」
涼「え?忙しいだろうしタイミング合った時でいいんだよ」
伊「だよねぇ!涼ちゃん俺んち来る予定だったもんね!」
涼「うわ切り替えはや」
伊「俺だって久々に会うのにさ、裕翔に取られたくねーもん」
涼「言っても1週間くらいじゃない?」
伊「俺にとっての1週間って長いよ!もう毎日が暇だったもん!」
涼「知念がいるじゃん」
伊「知念ちゃんはずっと魔法薬について勉強してたから邪魔出来ないもん」
涼「伊野尾ちゃんも勉強したらいいじゃん」
伊「俺に出来ない事はもう無いもん。
現代において一番魔法が使えるのは俺だからね」
見事なドヤ顔をしてくる伊野尾ちゃん。
褒めてといわんばかりにニコニコしている。犬かよ。
伊「俺ねぇ、最近ちゃんとご飯作るようになったんだよ」
涼「え、お菓子以外ってこと?」
チップスですらこれはポテトだから野菜なんですー!って言ってきてたのに!?
伊「当然さ、雄也ほどじゃないけどちゃんと野菜も使って作ってるから毎日でも食べに来てよ」
涼「食べるーっ、楽しみ!」
伊野尾ちゃん、お菓子作りは得意だし、お菓子作れるってことは普通の料理もきっと美味しいに違いない。
俺の返事に、伊野尾ちゃんは満足げに大きく頷いて、ローブの内ポケットから出した杖を一振りした。
視界は一瞬にして変わり、目の前に見慣れた伊野尾ちゃんちが現れた。
まばたきほどの出来事で、言葉にならない。
伊「こんなことも出来ちゃうんです実はー!瞬間移動!」
涼「え、あ、うぇ?すご…」
伊「本当は使っちゃダメなんだけどねー、えへへ。
変化は大事だからね、飽きさせない努力はしないと」
涼「飽きる?」
伊「涼ちゃんに飽きられて遊びに来ないって言われるの嫌だもん。俺、友達少ないから暇になっちゃう」
え、俺が飽きる?伊野尾ちゃんのことを?
まさかこの一週間遊びに行かなかったこと気にしてる?
涼「無いから!ちょっと忙しかっただけだよ?」
伊「俺には何も言わずに来なくなるんだもん。雄也には言うくせに」
涼「ごめんて。タイミングが合わなかったんだって」
伊「花火見てる途中で消えたくせに?」
涼「あー…ごめん」
それは俺が悪かったかもしれない。
202人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2022年1月16日 12時