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涼「ねえねえ、ヴィランの中で一番すごいのって誰なの？」
伊「んー、それぞれジャンルが違うからなぁ。俺的にはマレフィセントかな、魔力が最も高かったって言われてるし。
２番目はアースラかも、『アリエル』に出てくる人ね。悪さする前に契約書書かせるとか賢いよね。
３番目はフック船長かな。ピーターパンに関わってるとただのおバカだけどさ。それ無けりゃ極悪海賊団の船長って肩書が目立つんだよ？凄くね？」
涼「大ちゃんはランクインしないんだ(笑)」
伊「狼は力が強すぎたってだけだからね。周りが怖がっていつも問題が勝手に膨れ上がっちゃうんだよ」
ああ、なるほど。
伊野尾ちゃんはヴィランについてとても詳しい。
１聞いたら10で返ってくる。そんなにヴィランに詳しいのに全然ヴィランらしくないってのが物足りないが。
だって今もクリームたっぷりのドリンク片手に、魔法の杖でマシュマロを量産させながら口の中に放り込んでいる。
魔法使いみたいなローブは着ているけど、ヴィランっぽい風貌は全くない。
そんなふわふわしたキノコみたいな髪型やめてオールバックとかドレッドとかしちゃえばいいのに。
伊「てかてかてか、涼ちゃんのストーカーさん最近見ないねえ」
涼「ああ、あいつか…、確か北の雪山で雪崩があったみたいでそれの復旧作業に行ったらしいよ」
伊「真面目だな〜」
涼「真面目な奴がストーカーすると思う？」
伊野尾ちゃんが言うストーカーと言うのは、
簡単に言うとフック船長の末裔だ。
何か気に入られちゃって会うとすごい圧を感じるんだよね。
まあ彼のことはいずれ会うだろうからその時に詳しく説明するよ。
残りのジュースを一機に吸い込んで、ゴミは近くにあったゴミ箱に入れる。
ああ、こういうところに良い子が出ちゃうんだよな。
ゴミをちゃんと捨てるなんて英雄の末裔でもおろそかになっているのに。「これだから最近の若者は」なんて言葉をよく君にする。
ほら見てよ。
ベンチの下とか。
わざわざ隠すようにゴミを置くならゴミ箱に捨てたほうが良くない？
飴の袋とかさ。そんな小さいゴミならポケットにいれて持ち帰った方が良くない？
ヴィランの子の方がまだちゃんとしてるよ。
あっちなんて、見てよ。あんな大きな鞄がベンチに置きっぱなしだ。
涼「…あれ？…は、忘れ物かな？」
伊「んー？」
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作者名：アイノア・リカ
| 作成日時：2022年1月16日 12時
