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今はそこまで大袈裟な差別行為は無いけど、
それでもやっぱりヴィランというだけで怖がられたり偏見を持ったまま関わったりするのが一般的だ。
そしてヴィラン家系は自立心を養う教育を始めるのが早いと聞いた。
だから学校を卒業する年にはほとんどの人が親元を離れるとも聞いた。
大ちゃんも伊野尾ちゃんも、いつも一人でいる。
現代に出回っている物語の全てが英雄サイドの内容だ。
ヴィランサイドを考えたことも無かった。
視点を変えればヴィランだって英雄のように大きな夢を持っていたり、強い信念を掲げていたのかもしれない。
知「だから僕は、伊野ちゃんと仲良くしてくれる涼介が好き。
伊野ちゃんもね、僕と出会うまではずっと孤独だったんだよ」
涼「伊野尾ちゃんは普通にいい人だし…」
俺がヴィランになるためにアドバイスしてくれるし。
美味しいお菓子作れるし。
伊「何々〜、何の話〜?」
タイミングよく現れた伊野尾ちゃん。
両手にカップの乗ったトレーを持ち、そして何故か髪の毛が爆発している。
知「その髪型どうしたの」
伊「薬品混ぜてたら静電気溜めちゃってたみたいで、こうなった。チリチリよ」
涼「紅茶淹れに行ってたんじゃないの?」
伊「紅茶にとある薬品を入れてたのよ。
でも失敗したから大丈夫!これは純正紅茶だから!はいどうぞ!」
はいどうぞ、で飲める訳ねええええ!
怖い、何入れようとしてたの、怖い!
涼「俺を実験体にしようとしたでしょ!!」
伊「えぇ…別に毒じゃないしいいじゃん」
知「今回は何をしようとしたの?」
涼「今回"は"!?"は"って何!?今までもあったってこと!?」
伊「髪色を赤くするおくすり。
ほら赤ずきんちゃんといえば赤じゃん。山ちゃんは赤より黒が好きとか言って黒い服ばかり着るし。なら髪を赤にしちゃえばよくね?って感じで」
涼「最低!」
何勝手にしようとしてくれてんだ!
良かった!実験が失敗して!
伊野尾ちゃんが淹れた純正紅茶とやらをまじまじと見つめる。
訝しむのは当たり前た。
何か入っていたらたまったもんじゃない。
目の前にいる伊野尾ちゃんはニヤニヤしている。
知念は何のためらいもなくカップに口をつけていた。
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作者名:アイノア・リカ | 作成日時:2022年1月16日 12時