距離 ページ11
・
「何でいなくなったの」
この一言を簡単に口にできたら良いのに。
目の前の彼女がまた消えてしまいそうで
また会えなくなってしまいそうで
まだ俯いて涙を流すAの手を引っ張って
腕の中に閉じ込めた。
鎖骨の少した辺りが彼女の涙で
じんわりと濡れてきていることが分かった。
「やなぎだ、さん」
「ん、なーに」
「.......また、マサさんって、呼んでもいいですか」
「うん、もちろん
で、距離感じるから敬語なしね」
6年前みたいに
距離を感じるから、と言った。
すると、Aは、6年前を思い出したのか
くすっと笑って腕の中にから俺の目を見た。
「6年前、黙っていなくなってほんとにごめん。」
そして呟くように言った。
「隣にいられる自信がなかった。
5歳も離れてて、しかもあの頃は私まだ16歳で。」
「......年の差なんて関係ない。
俺もあの時より少しは成長した。
胸張って言える大人になったかな。」
自嘲気味に笑って見せると
「マサさんはどんな時も大人だった。
あの頃も今も。」
と言ってAは俺の背中に腕を回した。
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暁(プロフ) - こういうの大好きです！これからも応援してます！！ (2020年1月4日 8時) (
レス) id: 2c4eac8aee (このIDを非表示/違反報告)
瑠杏(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！！柳田さんこんなキャラかな、とか思いつつ書いてるのですごく嬉しいです、頑張ります (2019年12月7日 7時) (レス) id: 4ed0b191d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - めっちゃ好きです！！頑張ってください(^^) (2019年12月4日 22時) (レス) id: 69178fa585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠杏 | 作成日時：2019年12月2日 16時
