mi mi mi 3

ずるい#8 ページ8

.







「敬語やめて？」

「急には無理っす」





もう1ヶ月になるのに、
ひとつしか変わんないのに。





「じゃあもう喋んない」

「…そんなこと言われても、」





頭をかいて、
困った顔で見てくる将洋。





「………、」





プイとそっぽ向いてみた。
だって付き合えたのに敬語なんだもん、
これは強行手段ってやつ。




「えー、、」




そしたら隣で不満げにしてるから、
可愛いけど知らん顔。





「…喋んないんですか？」





顔を覗き込んで聞いてきた将洋に、
わざと口をつぐんでみせたら。




「…………、」





そのままじーっと
それを見つめて、






「…キスしていいですか？」

「う、」





ちょっと、なにその攻撃。
一気に顔が熱くなって、
思わず両手で覆ってしまった。






「ばか」

「ふ、先輩かわい」









いいよって言ってないのに、
覆った手は優しく剥がされて。





(そんなのいつも聞いてこないくせにずるい)
(こんな時だけ敬語じゃなくなるのも、ずるい)
.

どんな夜よりも甘い#11→←ポーカーフェイスの裏側を、#11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す