mi mi mi 3

恋に落ちた瞬間の出来事#11 ページ5

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うそでしょ、神様。






「ぎゃっ、」





トイレから教室に戻って、
教室のドアを開けた瞬間
目の前を勢いよく横切ったなにか。




反射的に後ろに避けたけど、
あーこれ絶対転ける。




しかも変な声出たし、
叫んで尻もちついちゃうとか無理。




後ろによろけながら
スローモーションで色々考えてたけど、







「……？」







私の後ろで、あぶね、って声がして、
私の身体はあったかくてかたい何かに
ぽすんとうまって転けるのをまぬがれた。





「立てる？」





見上げれば石川君で、
両手にバッグとジャージか何か持ってるから
胸で私をキャッチしてくれたみたいで。







「ごめん！大丈夫？！」

「うん」






横切った何かは、
男子がふざけて投げ合ってた誰かの筆箱。






「石川ナイス！男前！」

「うっせ」





ヘラヘラ笑って、
教室に入ってく石川君。






「ごめん、Aちゃん」

「あ、うん、全然」






すごいビックリしたけど、
今はむしろ投げた君に
ありがとうを言いたいくらい。









(背中で感じたその胸の男らしさに)
(私はいとも簡単に、するりと恋に落ちていく)

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