優しい狼#8 ページ9
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「んん……、」
目がさめると、
頭はガンガンと痛くて
視界はぐるぐると回ってた。
「あ、起きた？」
もたれかかっていた肩は大きくて、
状況は少しずつ整理されていく。
「っ、ごめん！！」
会社の飲み会で
そんなにお酒も強くないのに
飲み過ぎてしまった私は
気付けば同僚である柳田くんに寄りかかって
寝てしまっていたらしく
「…いいよ、そんままで」
急いで柳田くんから体を引き離すと
大きな手の平にそっとまた引き寄せられた。
「私、いつから…」
あの柳田くんに寄りかかってたなんて
しかも、そのままでいいって
引き寄せてくれるだなんて
いやそれよりも私なにしてるんだ？
いったい全体ばかじゃないの、
柳田くんにもう一度肩を借りて
まだはっきりと巡らない思考回路を
必死につなぎ合わそうとする。
「んー、わかんないけどみんな二次会いっちゃって、送ろうかと思ったけど家もわかんないから」
座っているのは、
シンと静まった居酒屋の前にある石段。
「ほんとごめん……、うち、すぐそこだから柳田くんも二次会いっていいよ？」
「いや、こんな子おいてけないから」
無愛想だけれど、
低くてどこか優しい声は心地良い。
「……うー、恥ずかしい」
同僚だけど、
柳田くんは別格で
そんなに喋ったこともないのに
まさかこんな醜態を晒すだなんて。
「歩ける？」
「うん、歩ける……」
少しフラつく足を立ち上がらそうとすると
少しもたついて、
柳田くんに腰を支えられて持ち直す。
「ほんとごめん、ほんとありがと」
ドキドキと恥ずかしさで
いっぱいになりながら帰る夜道。
「いーよ、寝顔堪能させてもらった」
「へっ？」
「……なんかすごい可愛いかった」
無表情のままサラリと言ってしまう彼は
やっぱり手の届かない人。
「あの、やっぱり私1人で帰れる」
じゃないと心臓がもたないから、なんて
喉まで出てる言葉を必死に飲み込んだ。
「襲われるよ？」
「だいじょぶ、そんな物好きいない」
(ここにいるから気をつけたほうがいいよ、なんて聞こえた気がしたけれど)
(どうなったってかまわないから、聞こえてないふりをした)
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mi mi mi(プロフ) - らみさん» うんざりなんてとんでもない！！お時間があるときにゆっくーり読んでもらえたら幸せです(*^o^*)私も最近はかなりマイペースでやってます笑 (2016年10月30日 23時) (
レス) id: 4468326d81 (このIDを非表示/違反報告)
らみ - だいぶ間隔あいてしまいました…明日あたりゆっくり読みますね!連続コメでうんざりされるかもしれませんが(笑) (2016年10月27日 23時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi(プロフ) - らみさん» 丁寧な感想、ほんとに感激してます（；＿；）ありがとうございます！！やっぱりそうやってコメントをもらえるととっっっても嬉しいです。。らみさんにそう言ってもらえると、やったー！って気持ちになります、はい。毎度毎度ありがとうございます(*^o^*) (2016年10月3日 23時) (レス) id: 4468326d81 (このIDを非表示/違反報告)
らみ - 「口元をぬぐいながらじっと見てくる」というのが何とも色っぽいです。吹き出したドリンクをぬぐうのはもちろん、舌なめずりしてる狼のようですね。絶対かなわない(笑) (2016年9月19日 18時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
らみ - 『危険な部屋着』 たまには欲望丸出しの石川祐希もいいですね(笑)きっとTシャツブカブカなんだろうな〜とか、スイッチ入るよな〜という想像を掻き立てられるお話でした。 (2016年9月19日 18時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi mi mi | 作成日時：2016年6月12日 9時
