好きな人の好きな人#11 ページ35
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部活を始める準備が始まり、
モップがけをしながら並んで話すこの時間。
いつもは楽しみだったのに、
どんな流れでこんな話になったのか
望まずとも知ってしまったのは、
祐希には好きな人がいるっていう
一番聞きたくなかった事実。
「それ私聞いてない」
「言ってないもん」
いつもと同じ調子の祐希に、
下がる気持ちを悟られないように。
「仲良い子？」
「まぁ、仲は良いと思うけど」
逃げ出したいような気分なのに、
話題を広げる自分に呆れる。
なんとか他の話題を探そうとするけど、
頭の中は悲しい事実で埋め尽くされて
なんにも考えられなくて。
「…でも多分、鈍感」
それ、祐希が言う？なんて
言いたいけど言えないよ。
「A聞いてる？」
「え、うん聞いてるよ」
こんな話
泣きたくなるくらい苦しいのに、
口をついて出てきたのは
どんな人なの？なんて
これまた知りたくない情報。
「……んー、」
そしたら少し考えて、
可愛い人、って照れくさそうに答えた祐希に
ガーンと頭を殴られた気分になった。
そしたらなんだかもうどうでも良くなってきて、
告白しちゃえば、なんて
投げやりに言葉を放り出したなら。
「A適当すぎ」
怒ったふりして
私の髪をぐちゃぐちゃにするから、
悔しいくらいにドキドキして
すごく切ない気持ちになった。
「どんな告白がいいもんなの？」
「……ストレートに言うのが、いいんじゃない」
「どこで？」
「……下駄箱、とか？」
祐希の問いかけひとつひとつに、
私の心はバキバキと折られてく。
本音を言っちゃえば、
なんで？なんて聞いてくる祐希に
どこでも勝手にしちゃえ、ばかやろう
って言ってやりたい気分だけれど。
「なんか少女漫画みたいで、いいじゃん」
「…ふーん」
味気ない祐希の返事に
私に聞かれてもわかんないよ、
なんて言おうとしたら。
「じゃあ今日、部活おわったら下駄箱で待ってて」
「あぁ、うん……ん？」
なにそれ。
それってそれって、
もしかして。
隣を見上げてかたまる私に背中を向けて、
そろそろネットだそ、なんて
さっさと倉庫へ歩き出した祐希。
後ろ姿に見えた祐希の耳は
トマトみたいに真っ赤っかで、
何かが繋がった私は
その場に崩れ落ちそうになった。
その日の部活は、
いつもは釘付けってくらい見ている
隣のコートが見れなくて。
どんな人なの？
可愛い人、
そんな会話が永遠と
頭の中でリピートされた。
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mi mi mi(プロフ) - らみさん» うんざりなんてとんでもない！！お時間があるときにゆっくーり読んでもらえたら幸せです(*^o^*)私も最近はかなりマイペースでやってます笑 (2016年10月30日 23時) (
レス) id: 4468326d81 (このIDを非表示/違反報告)
らみ - だいぶ間隔あいてしまいました…明日あたりゆっくり読みますね!連続コメでうんざりされるかもしれませんが(笑) (2016年10月27日 23時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi(プロフ) - らみさん» 丁寧な感想、ほんとに感激してます（；＿；）ありがとうございます！！やっぱりそうやってコメントをもらえるととっっっても嬉しいです。。らみさんにそう言ってもらえると、やったー！って気持ちになります、はい。毎度毎度ありがとうございます(*^o^*) (2016年10月3日 23時) (レス) id: 4468326d81 (このIDを非表示/違反報告)
らみ - 「口元をぬぐいながらじっと見てくる」というのが何とも色っぽいです。吹き出したドリンクをぬぐうのはもちろん、舌なめずりしてる狼のようですね。絶対かなわない(笑) (2016年9月19日 18時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
らみ - 『危険な部屋着』 たまには欲望丸出しの石川祐希もいいですね(笑)きっとTシャツブカブカなんだろうな〜とか、スイッチ入るよな〜という想像を掻き立てられるお話でした。 (2016年9月19日 18時) (携帯から) (レス) id: fc1ef7147b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi mi mi | 作成日時：2016年6月12日 9時
