#185 ページ36
…
1週間後…
大「お久しぶりです」
愛羅「お久しぶりです。忠義さん、身長高くなりましたね」
前は同じくらいだったのに…なんて笑う彼女。
もとい、俺の許嫁。
その日は夜も遅くて、すぐに別々の部屋に別れた。
明日はちゃんと結婚のお断りせなあかんよなぁ…
俺、できるかな……
コンコン
大「…はい」
愛羅「寝て…ましたか？」
大「ううん、大丈夫ですよ。どうされました？」
愛羅「…あの……」
大「あ、どうぞ中…入ってください」
もう9月も終わる。
昼間はまだ暑っついけど、夜は、特に廊下なんかは結構冷える。
愛羅「あの……一緒に…寝てもいいですか？」
一瞬頭の中をヤスがチラついた。
そっか……
愛羅さんも俺とおる努力をしてくれてるんやもんな…
なんか、俺も答えなあかんよなぁ。
大「どうぞ」
キングサイズのベッドやし、同じベッドとはいえ、これは浮気に入らない。
入らない……と思う。 多分。
愛羅「幼い時もこうやって一緒に寝てましたよね」
大「…そうでしたね」
手を繋ぐことに何の躊躇いもなかった頃は一緒によく眠っていた。
愛羅「あの頃に忠義さんがくださった大きなくまのぬいぐるみ、今も東京の実家で愛用しています」
大「くま…」
なるほど、ぬいぐるみか。
大「…明日、新しいぬいぐるみを見に行きませんか？」
愛羅「忠義さんとお出かけ…久しぶりですね。
楽しみにしております。」
少しすると、隣から小さな寝息が聞こえてきた。
窓の外に見える三日月。
あの月は、ヤスにも見えてるんかな？
…
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作者名：ゆうか | 作成日時：2020年5月6日 20時
