#184 ページ35
…
父「俺ももう長くない。」
親父は紫煙を昇らせながら話し出す。
父「山風学園には俺の親しい男がおる。
そこで学べばその後もうまい事いく。だから、
山風学園に行け」
大「断る。」
父「来週、愛羅さんが来る。用意しておけ」
大「愛羅さんが…？でも今は東京におるって…」
父「お前のためにわざわざ東京から来てくれる。
愛羅さんには会うんだろう。
今週は学園の方に休みを摂るように連絡しておく。
部屋でも片付けて待っておけ。」
愛羅さん、俺の幼い頃からの…
俺の…
許嫁ーーー
親父はそれだけ言い残して廊下を歩いていった。
いままで、自分自身に特に興味もなくて許嫁って言われても、「そうですか、よろしくね」ぐらいにしか
考えてへんかった。
でも、俺には…
部屋の外、大きな欠けた月が光っている。
ーーー
ヤスへ
親父に呼び出されて今実家に帰ってる。
しばらく帰れそうにない。
約束守れんくてごめんな。
いっぱい食って寝ろよ。
大倉
ーーー
ヤスにメールを送って、ふかふかのベットに倒れ込んだ。
愛羅さんに会うのは多分3年ぶりくらい。
俺、愛羅さんのことどんなふうに思ってたんやったっけ。
大「好きやったんかなぁ…」
もう、前の気持ちはわからん。
今はヤス一筋やから。
でも……
大「許嫁…」
…
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作者名：ゆうか | 作成日時：2020年5月6日 20時
