第二十三話 君と私の最後の言葉 ページ23
暗闇の中を彷徨う。
動かない体、
冷たい体、
声が出ない、
視界には暗闇しか映らない、
私の世界は完全なる闇に包まれている。
前世の私にだって仲間は居た。
友達だって、
慕っていた上司だって、
酒を飲み交わせる大切な人達だって居た。
それでも私の孤独は埋まらない。
義兄は私以上の天才で、
他は私より遥かに下で、
私を理解してくれる人は居なくて、
だけど友人の存在は居心地が良かった。
全部消えてしまったけれど。
───人を救う側になれ
織田作、その言葉は呪いだ。
私は生きる理由を人を救う事に決めた。
そしてその呪いは私を縛り付ける。
前世の私は義兄と共に探偵社に入らなかった。
私に希望を与えてくれたのは、私と同じ魔の名を持つ男。
私は人を救う側になれなかったよ。
───それでも今世は助ける事が出来た
そうだね、確かに先輩達を助ける事が出来た。
それでもそれが正解なのかはわからない。
だってそうだろ？私が宿儺の指を喰らい受肉した事で各地の宿儺の指も目覚めたも同然。
私の所為で"また"人が死んでゆく。
私は何時までも人の命を吸う魔女だ。
───そろそろ目覚める時間だ
君とはもう会えないの？
それなら目覚めなくてもいいよ。
───それは駄目だ、お前にはすべき事がある
そっか、織田作は酷い人だ。
───早く目覚めろ、仲間が待ってる
ねぇ、私は人間になれるかな？
───ああ、なれるさ
視界が明るくなる、目覚めたのだ。
静かに降る冷たい雨、
壊れた建物、
目の前に立つ傷だらけの青年、
宿儺と戦ってこうなったのだろう。
「…俺は」
作戦の為とは言え、無理をさせ過ぎたかな？
「お前を助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしてもお前の様な善人が死ぬのを見たくなかった。それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。
でも、それで良いんだ。俺は
だからお前を助けた事を、一度だって後悔した事はない」
ああ、君は最後まで私を善人と言うのか。
「そうですか…。
最後に言わせて貰いますが、私は善人じゃありません。絶対にそれだけは違います」
「…」
「それでも少しは嬉しかったですよ」
貴方は私の本質を知らない。
それでも私を助けたという事実に後悔を感じた事が一度もないと言って貰えた事は嬉しい。
「伏黒君も釘崎さんも、五条先生は心配いりませんね…」
───長生きして下さいよ
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ここ(プロフ) - 続きが読みたいです！とても面白くて大好きです (2021年10月15日 14時) (
レス) id: 9f3cfc1daf (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 続きを読みたいです！続きをお願いします(>人<;)それか、さしす組3年、この作品の夢主ちゃん達が1年の高専パロを読んでみたいです！（出来たらでいいのですが...) (2021年8月21日 22時) (レス) id: f0b1c73d73 (このIDを非表示/違反報告)
神郷琴葉 - 更新楽しみにしてるので頑張ってください！！( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年6月1日 22時) (レス) id: f92cbecf14 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 12話のセリフ夢主ちゃんの名前ではなく｢悠仁｣になっているのと、27話｢接近先頭｣ではなく｢近接戦闘｣だと思います (2021年5月31日 9時) (レス) id: 6a44754493 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - 12話のセリフ夢主ちゃんの名前ではなく｢悠仁｣になっているのと、27話｢接近先頭｣ではなく｢接近戦｣だと思います。 (2021年5月31日 9時) (レス) id: 6a44754493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫吹-シスイ- | 作成日時：2021年4月26日 19時
