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あれから3週間…
隼から連絡はないし私も連絡はしなかった
「…お互い意地っ張りだなぁ」
私はハァとため息をついてスマホに手を伸ばし
ラジオアプリをタップする
『スクールオブロック、校長の小森隼です!』
スマホから聞こえてくるのは
愛おしくて大好きな人の声
いつもと変わらず明るい声に
じわっと私の目に涙が溜まる
「本当に終わっちゃったのかな…」
私は頬を伝う涙を軽く拭ってベッドに身体を倒した
隼の可愛いあの笑顔も
私を笑わせようとふざけた時にするあの顔も
キッチンで真剣にコーヒーをいれてくれるあの背中も
私の名前を呼ぶあの声も
もう聞けないと思ったらまた勝手に涙が流れる
“ じゃあ私たち付き合ってる意味ないね “
あんなこと言わなきゃ良かった
スマホから鳴る隼の声を聞きながらゆっくりと瞼が閉じてゆく
今更後悔しても遅いけど…
『ラジオネーム、ジュンさん!高校の同級生の彼女と喧嘩をしてしまいました…』
私の耳に届く隼の声がだんだん小さくなる
明日、また連絡して謝ろうかな…
『んー、それは男から謝ろう!絶対それが上手くいくと思うんだよね』
『ええ?小森校長何か経験が?』
『いやいや!まあそう言う時悪いのって大体我ら男ですから!ハハハ!』
ーーー
〜♪
枕元で鳴るスマホの音とバイブで目が覚める
「…んー、ああ寝てた」
私は目を擦りながら枕元のスマホを手に取る
スマホの画面に映し出された“ 隼 “の文字
「えっ、隼」
私は一旦息を吐いて通話ボタンを押す
「…もしもし」
隼「もしもし、ごめん起こした?」
「うん、寝てた…けど大丈夫!どうしたの?」
隼「あー…今Aの家の前にいる」
「えっ」
隼「こんな夜に急に来てごめん、開けれる?」
「ちょっと待ってて」
私は急いで玄関に向かい扉を開けると
ダウンのフードを被って顔を埋める隼が
少しだけ気まずそうに“ よっ! “と言った
「寒いよ、入って」
隼「ありがと」
隼を部屋へ入れ時計を見ると午前2時…
ラジオ終わってから来たんだ
私は暖かいコーヒーを淹れてソファに座る隼に差し出す
隼「ありがと!」
そう言って隼はコーヒーを一口飲んだけど
一向に口を開かないから私から問いかける
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作者名:ゆちゃん | 作成日時:2022年3月24日 17時