クリスマスの夜、星に願いを…Alan.S ページ39
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亜「…別れよう」
亜嵐にそう言われたのは去年のクリスマス
それは突然だった
仲違いした訳でもなく、冷めた訳でもない
亜嵐には夢があると言った
その夢を叶える時間と同時に
私の時間もを奪いたくないのだと
「お疲れ様でした！」
私は少しだけ残業をして会社から外に出ると
外はクリスマスモードで街はキラキラ輝いていた
「うー、さっむ…雪降るなこれ」
私はマフラーに顔を埋めて手にハーッと白い息をかける
本屋でも寄って帰ろう…
カップルたちで溢れる街をかき分けながら本屋へと足を運んだ
――
来年の占い本今日発売だったんだよね〜っと…
「……あ」
沢山の雑誌が並ぶ中、目に入ったのは
GENERATIONSとして表紙を飾る亜嵐だった
あぁ、別れてちょうど1年か…
やだな、また変な事思い出しちゃってる…
そんな事を思いながらも
私は思わず雑誌を手に取り亜嵐のインタビューページを開いた
Q、今年1年はどんな年でしたか？
亜嵐：色々挑戦できた年でした。GENERATIONSの活動を初め、
俳優や楽曲制作、それに楽曲提供なんかも初めて挑戦できて
また1つ夢が叶えられた気がします。
雑誌を持つ自分の手にグッと力が入るのがわかった
私は雑誌を静かに閉じて棚へと戻す
嬉しかった、だから泣きそうになった
誰よりも近くで亜嵐が夢を追う姿を見てきたから
本当は亜嵐が夢を叶えるのに私の存在が邪魔になったのかもしれない
だけど亜嵐は優しいから“私の時間を奪いたくない“とそう言ってくれた
楽しかった亜嵐との思い出が頭に蘇る
はぁ…もう1年経つのに私、未練タラタラじゃん
「ハァ…」
私は占い本を手に取ってレジへと向かった
『ありがとうございました〜』
本屋の袋を抱えて外に出ると雪が降り始めていた
「うわぁ、降ってきた」
私は足早に家へと足を進める
だんだんと大ぶりになっきた雪
うー…ちょっと暗いけどこっちのが近道だし
今日は公園通って帰ろっと
私はいつもは通らない公園に足を踏み入れる
そういやこの公園、亜嵐よく来てたっけ
ランニングしたり、散歩とか…
………わ！ヤダヤダ…また思い出しちゃったよ
私は1年、なーんにも変わってないじゃん
亜「…A？」
「……へ？」
名前を呼ばれた先を見ると
ニット帽を被った上に上着のフードを深く被った亜嵐が
目をまんまるにして私を見る
「…亜嵐」
亜「おぉ…久しぶり」
亜嵐と会うのは別れたあの日以来、1年ぶりだった
．
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作者名：ゆちゃん | 作成日時：2022年3月24日 17時
