ひとりじめ…Alan.S ページ12
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いつもより1時間早く起きて
私はドレッサーの前でリップを塗る
「よし！」
今日は仕事終わりに久しぶりに亜嵐くんに会えるから
新しい服を下ろして化粧もいつもより気合を入れた
最後に玄関の鏡で髪の毛をチェックして前髪を軽く直す
「行ってきま〜す」
私は腕時計を確認して急いで駅へと足を進めた
私と亜嵐くんの出会いは仕事の関係者に紹介してもらった時に
私が一目惚れしちゃってそこから猛アタック…
1年経ってようやく付き合うことができた
大好きな人と一緒になれて幸せ…なのになんか違う
この感情は一体なんだろう？
「おはようございまーす」
「Aおは〜！」
「あ、聡美おはよう」
同期の聡美は仕事仲間であり、親友だ
聡「あれ〜？今日なんか雰囲気違う」
「えっ、そうかな〜？」
聡「さてはデートだな〜！」
「えへへ…」
聡「あ〜！否定しないってことはビンゴだ！」
「まぁ、聡美にはバレちゃようよね」
聡「バレバレ〜！てか、久しぶりなんじゃない？」
「う〜ん、でも全然だよ！3週間ぶりとかかな？」
聡「3週間！？あんたホントすごいね…」
「えっ、そうかな？」
聡「遠距離でもないのにさ〜！
私は毎日会いたいからイケメンでも絶対に無理！」
「そりゃ私だって会いたいよ〜、でも亜嵐くん忙しいし」
聡「まぁ有名人だしそれも承知か」
「そゆこと」
キーンコーン
私達の会話を遮るように就業のチャイムがオフィスに鳴り響く
聡「さっ！朝礼いこ！」
「うん！」
私達はデスクから腰を上げて朝礼へと向かった
1日頑張ったら亜嵐くんだ〜！
今日も頑張ろっと！
ーーー
午後の会議が終わり、あっという間に定時のチャイムが鳴る
私は会議室から足早にオフィスへと向かった
「あ！Aちゃん！」
名前を呼ばれ、私はピタリと足を止め振り返ると
休憩室から先輩の向井さんが
ひょこっと顔を覗かせて手招きをする
ん〜！！もう！急いでんのに〜！と思いながらも
愛想笑いをして先輩の元へ駆け寄った
「向井さん、お疲れ様です」
「Aちゃん会議お疲れ！コーヒーでもどう？俺が奢るよ」
「あはは、ありがとうございます〜」
また私は愛想笑いをして向井さんから缶コーヒーを受け取った
ピコンッ
会議資料と一緒に持っていたスマホが鳴り
画面を見ると亜嵐くんからのメッセージだった
“今事務所出たよ〜！家で待ってるね“
亜嵐くんからのメッセージを読んで思わず頬が緩んだ
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作者名：ゆちゃん | 作成日時：2022年3月24日 17時
