練習台…Ryota.K ページ1
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涼「なぁ」
「んー?何ー?」
私はキッチンから首を伸ばして
リビングのソファでスマホを触っている涼太を見た
付き合って3年、同棲はしていないけど
涼太の仕事が早く終わった日は
こうやって涼太の家に来て一緒にご飯を食べる
涼「今度俺、映画出るやんか〜」
「うん」
涼「恋愛映画やんか〜」
「うん」
涼「結構有名な女優さんと出るやんか〜」
「ねぇ、早く言ってよ〜?何?」
涼太はここ最近演技の仕事も増えてきて
更に忙しくなったみたい
これから今まで以上になかなか会えなくなるのかな…
ソファに座ってスマホを触っていた涼太が
スマホをテーブルに置いて立ち上がり私を見る
涼「キスシーンやんねん」
「えっ?キスシーン?…すごいじゃん!」
私は蛇口を閉めてタオルで手を拭い
涼太へ駆け寄った
「初めてじゃない?すごい!良かったね!」
涼「…嫌じゃないん?」
「えっ…あぁ、仕事だし!私は全然嫌じゃないよ」
涼「嫉妬しないん?」
「う、うん」
涼「俺はAが俺以外の男とキスしてたら嫌だけどなぁ〜」
涼太はそう言いながら再びソファへと倒れ込んだ
きっとこれは私に"嫉妬"してほしいんだろう
もう3年も付き合ってて普通ならマンネリ化しそうなのに
なかなか会えないからなのか
未だに涼太は私に沢山の愛をくれるし伝えてくれる
逆に私は照れちゃって何も出来ないのが時々申し訳なくなる
「そりゃそうだよ〜涼太と私は違うんだもん」
涼「仕事とプライベートは違うけど、それでもキスすんねんで?」
「私だって涼太が仕事以外で他の女の子とキスしたら嫌だよ〜」
涼「仕事以外ね〜」
私は床に腰を下ろすと
ソファで寝転んでいる涼太の背中をポンポンと叩いた
私が嘘でも嫌だ!って言ったらいいのか
まぁ、嫌だと言ったところで仕事なんだからしなきゃいけないんだけど
涼太は拗ねると長い
どうやって機嫌取りしようかなぁ…
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作者名:ゆちゃん | 作成日時:2022年3月24日 17時