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___55 ( your side ) ページ6






「ねぇ拓弥、明日大城さんのイベント最後に行ってきていい?」

拓「はぁ?お前もう店辞めたんだろ」



拓弥はベッドに腰掛けてビールを飲みながらそう言った



「お世話になった人だから…最後に、お願い」

拓「なら俺も行く」

「えっ…でも」

拓「何だよ、俺が行ったら問題?」

「いや、そんなんじゃないけど」



大城さんに亜嵐も来るって聞いたから

拓弥が着いて来たらまた面倒臭いことになる



拓「じゃないけどなんだよ!」



拓弥は大きな声でそう言って私の腕を強く掴んだ



「やめてよ!前の家と違って大きい声出したらすぐ人来るからね!!」

拓「なんだよお前…」

「あっ、ごめん」



それから拓弥は私を静かに痛めつけるようになった

そんなに私が気に食わないなら…ほっといてよ



拓「じゃあ明日大城さんに言っとけよ」

「うん…わかった」

拓「そんな悲しい顔するな、明日ランチ美味いとこ連れてってやるからな」



拓弥はしゃがんで微笑むと私の頭を優しく撫でる

そんな拓弥の行動にゾワッと鳥肌が立つのがわかった


こんな扱い受けるのももう慣れっこだけど

酷いことされた後に優しくされるのは

今になっても慣れなくて奇妙だ



拓「じゃあ明日昼に迎えに来るから」

「…うん」

拓「あ、ちゃんと長袖着てこいよ」

「…うん」



もう少しの辛抱、我慢我慢…

そう自分に言い聞かせて床に転がったビールの缶を拾った



ーーー



翌日、大城さんのイベント会場に着くなり

拓弥と一緒に大城さんに挨拶へ行く


周りを見渡しても亜嵐の姿はない



拓「何キョロキョロしてんの?」

「えっ、してないよ別に」

拓「あっちで酒貰いにいこーぜ」

「う、うん」



いずれ亜嵐はDJとしてステージに上がる

そしたら拓弥に亜嵐が来てる事バレるのも時間の問題か



「拓弥、ちょっと御手洗行ってくるね」

拓「おぉ」



私は拓弥の元を離れて小走りで御手洗へと向かい

御手洗を済ませて袖を捲って手を洗う


今のうちに亜嵐を探したい…

私は急いで御手洗から出てイベントホールへと足を進めた



亜「A!」


聞きなれた声で呼ばれた名前に私はピタリと足を止める

ゆっくりと振り返ると息が上がった亜嵐が駆け寄ってくる


「……亜嵐」


本当はずっとずっと、会いたかった人



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作者名:ゆちゃん | 作成日時:2022年1月26日 18時

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