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Happy Valentine《six》 ページ44

翌朝。




「風葉っ!」


「おう、はよ」


「おはよっ」



玄関から出てきたのは、両手にチョコレートの入った紙袋を持った疾風。



「ごめんなー!ラッピングしてくれたんだよな?ありがとなーっ!」


「いいよ、別に。なんかお前酔ってるし。吐くし。寝るし。」


「す、すみませんした…」




あの後、すっかり眠ってしまい起きる気配のない疾風をベッドまで運び、


俺はほとんど完成していたチョコレートのラッピングをした。


料理は出来なくてもラッピングくらいはできるし、失敗してしまった謝罪も込めてるし。



そのあとは泊まる準備とかもしてなかったから帰った。





「一個持つ」


「お、サンキュ!」


「ん。」



疾風から、二つあるうちの一つを受け取る。


そのまま、並んで2人歩く。




「…なぁ、風葉」


「ん?」


「これ。」


「え?」




横目で疾風を見ると、疾風の手には、赤いリボンが巻かれた灰色の箱があった。


それをこちらに差し出している。


疾風は目を逸らしていた。



体が固まる。





「…なにこれ」


「…言わせんのかよ。チョコレートだよチョコレート!」


「え…あぁ……え??」


「なに!?なんか文句ある!?」


「いや…文句はない、けど」


「けどなんだよ!?」


「…だって、お前、今まで俺もこの袋に入ってるヤツと同じのくれてたろ」




そう。俺がこんなに驚いているのは、これだ。


チョコは貰ってた。けど、こんなにあからさまに特別感のあるチョコは貰ったことない。


袋に入ってるヤツと大きさ違うし、ラッピングも俺がしたやつじゃないし。




「…い、いや……毎年手伝ってもらってるし…普段お世話になってるし……お前にナイショで、今年くらいは特別なヤツ作ろうかなーっと思って…」



顔を真っ赤に染め、目を泳がせる疾風。




なにそれ可愛い。






「……それに、“あんなん”貰ったら特別なヤツ作らなきゃって思うだろ!!」






実は、俺が帰る前、疾風の枕元に“俺からの”バレンタインチョコを置いていった。


「男が男に渡すのはないだろ」なんて思ってたけど、よくよく考えたら疾風男だし、いつも貰ってばっかなのは悪いと思った次第。


作るのは無理だから市販のやつだけど、ちゃんと手書きメッセージも添えた。

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優也 - いつも見させてもらってます。そのうち弓月さんと風葉さんの過去を書いていただけたらな〜と思っております… 更新がんばってください!待っておりますので! (2018年4月24日 23時) (レス) id: 11b57a102b (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 抹茶タピオカさん» ありがとうございます!!疾風も喜んでおります!!顔はですね……一応イメージはあるのですが、ご想像にお任せします!( ´ ▽ ` )ありがとうございました^ ^ (2017年2月26日 18時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
日向明音@桐山照史になりたい人生だった*ペアネ中(プロフ) - 大輝さん» いえいえ!断固かざはや派やけん! (2017年2月23日 17時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ(プロフ) - 疾風君もう、ほんとかぁいい!!顔もきっと可愛いのかな?(hshs(( (2017年2月22日 23時) (レス) id: 928f7078a5 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 白鳥沢LOVE@無理ゲーはパスさん» ご指摘ありがとうございます!!こんな簡単な文字を間違えるなんてお恥ずかしい…!!本当にありがとうございます、直しておきます(^_^;) (2017年2月22日 21時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大輝 | 作成日時:2017年1月22日 21時

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