ろくじゅなな。 ページ23
中庭は、この廊下をまっすぐ行って、階段を降りた先にある。
早く、早く行かなきゃ。
風葉が帰ってしまう前に。
早く。
人っ子一人いない廊下を走り抜ける。
帰宅部の俺にはちょっとキツかったけど、そんな事気にする余裕もなかった。
頭の中には、「風葉に会いたい」という思いしかなかったのだから。
数メートル先に、曲がり角が見える。
ここを曲がれば階段があって、降りたらすぐに中庭へ繋がる扉がある。
曲がり角に差し掛かる。
俺は、勢いを落とさずに曲がり角を曲がった。
________と、何かに勢いよくぶつかった。
「わっ…」
その衝撃で、体が後ろに倒れる。
あ、ヤバイ。
そう思った瞬間、腕を、ぐいっと力強く引き寄せられた。
「……っと、セーフ」
その呟き通り、俺は床に体をぶつける事なく無事だった。
あぁ、誰かにぶつかったのか。
「す、すみませ…」
ぱっと塞いでいた顔を上げた。
視界に入ってきた人物を見るなり、口から出てきたのは「げっ」なんてすっごい失礼な言葉だった。
いや、でもさ、無理ないって。
「……げって…助けてあげたのにそれはないでしょ」
そう言うソイツのニヤついた顔を見ると、さっと血の気が引いた。
逃げなきゃ。
本能がそう叫んでいた。
「……っ、す、すみません。失礼しま…っす！？」
掴まれていた腕を振り払い、ぺこりと会釈してから通り過ぎようとしたその時だ。
どんっと大きな音が、静かな踊り場に響いた。
「…っ」
少し上を見上げると、腹立だしいくらい綺麗な顔が、口角を上げて笑っていた。
「……いやいや、逃がすわけなくない？」
再度、強く握られた両手首が、「痛い」と悲鳴を上げていた。
いや、本当痛い。冗談抜きで痛い。
「いたっ……離しっ…」
腕を払いのけようとしたが、びくともしなかった。
「……昨日振り、ハヤテクン？」
恐怖のあまり、楽しげな弓月の顔から目が離せなかった。
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優也 - いつも見させてもらってます。そのうち弓月さんと風葉さんの過去を書いていただけたらな〜と思っております… 更新がんばってください！待っておりますので！ (2018年4月24日 23時) (
レス) id: 11b57a102b (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 抹茶タピオカさん» ありがとうございます！！疾風も喜んでおります！！顔はですね……一応イメージはあるのですが、ご想像にお任せします！( ´ ▽ ` )ありがとうございました^ ^ (2017年2月26日 18時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
日向明音＠桐山照史になりたい人生だった＊ペアネ中(プロフ) - 大輝さん» いえいえ！断固かざはや派やけん！ (2017年2月23日 17時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ(プロフ) - 疾風君もう、ほんとかぁいい！！顔もきっと可愛いのかな？（hshs(( (2017年2月22日 23時) (レス) id: 928f7078a5 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 白鳥沢LOVE@無理ゲーはパスさん» ご指摘ありがとうございます！！こんな簡単な文字を間違えるなんてお恥ずかしい…！！本当にありがとうございます、直しておきます(^_^;) (2017年2月22日 21時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大輝 | 作成日時：2017年1月22日 21時
