ごじゅきゅ。〈風葉視点〉 ページ15
「……つか、本題なんだけど」
そう俺が言うと、龍太はちらりとこちらに目をやり、体を起こした。
「うん、なぁに?」
目を細め、そう笑う。
「…色々言うのめんどいから、率直言う。
疾風にこれ以上近づくな」
龍太の目を真っ直ぐに見つめ、枕詞もなにもつけずにそう言い放った。
龍太は、そんな事知っていたかのように、表情ひとつ崩さず飄々としている。
「言うと思った。風葉にしては珍しいね、そんな他人に執着するなんて。
……聞く必要もないだろうけど、好きなの?ハヤテクンの事」
「あぁ。あいつの為なら世界も殺せるくらいにはな」
「ははっ、お前も大概気持ち悪い男だよね」
「褒め言葉だな。それくらいあいつが好きだって事だ」
「言い切るね。でも、流石風葉。キザな言葉もお似合いだ」
「お前には負けるよ。その巧みな話術でどれだけの女を落としてきたんだか」
「落としたって……人聞きの悪い事言わないでよ」
「…褒めてんだよ?」
「……そっか。そりゃどーも」
ただの会話?褒め合い?
いや違う。
ただの“口喧嘩”だ。
言っておくが、幼馴染でキスする仲であっても、恋人という訳でもないし、特別仲が良いわけでもない。
どちらかというと悪い。
お互いがお互いを好きじゃないから。
龍太が俺にキスしてくるのは、単純に俺の顔が好みだからであって、決して俺が好きだからではない事を知っていて欲しい。
俺は単純に、こいつに逆らえないだけだ。
別にそれでいい。キス以上の事はもうとっくにされた。
今更、こいつから喪うものなんて何もないのだ。
「……いいよ。ハヤテクンには手は出さない。残念だけど」
そう言って龍太は、素直に引き下がる、
「だだし」
……奴ではない。
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優也 - いつも見させてもらってます。そのうち弓月さんと風葉さんの過去を書いていただけたらな〜と思っております… 更新がんばってください!待っておりますので! (2018年4月24日 23時) (レス) id: 11b57a102b (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 抹茶タピオカさん» ありがとうございます!!疾風も喜んでおります!!顔はですね……一応イメージはあるのですが、ご想像にお任せします!( ´ ▽ ` )ありがとうございました^ ^ (2017年2月26日 18時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
日向明音@桐山照史になりたい人生だった*ペアネ中(プロフ) - 大輝さん» いえいえ!断固かざはや派やけん! (2017年2月23日 17時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ(プロフ) - 疾風君もう、ほんとかぁいい!!顔もきっと可愛いのかな?(hshs(( (2017年2月22日 23時) (レス) id: 928f7078a5 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 白鳥沢LOVE@無理ゲーはパスさん» ご指摘ありがとうございます!!こんな簡単な文字を間違えるなんてお恥ずかしい…!!本当にありがとうございます、直しておきます(^_^;) (2017年2月22日 21時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大輝 | 作成日時:2017年1月22日 21時